補助支持車輪・案内車輪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 04:59 UTC 版)
「超電導リニア」の記事における「補助支持車輪・案内車輪」の解説
超電導リニアで採用されている誘導反発方式の欠点として、車両が低速時には十分な磁気浮上力が得られないこと、また磁気抗力を回避するため低速域では敢えて車輪走行することは既に説明した。このため低速時(約150 km/h以下)の走行速度の時には補助支持車輪と案内車輪を出して走行を行う。車輪にはラジアル構造のゴムタイヤが使用されている。補助車輪は十分な磁気浮上力が得られた時(約150 km/h以上)、車両本体内に格納される。車輪の支持脚は、ダンパ機能を持ち、また非磁性で軽量・強度のあるチタン合金などが使用されている。さらには補助車輪のバックアップとして外接輪と呼ばれるアルミディスクが備え付けられている。 構造として、航空機とは「浮上する」という共通点において、近年の降着装置(ランディングギア)に近しい点が伺える。浮上時に、車両を支持するゴムタイヤが車両(航空機であれば機体)に格納され、逆に浮力低下時にはゴムタイヤを出す点、ブレーキ種の1つとして、ディスクブレーキが用いられている点、車両(機体)との支持にダンパ機能が用いられている点などが挙げられるが、「超電導リニア」と「航空機」とでは、軌道の有無等から生ずる差異も存在する。例えば、リニア車両における接地面は、(外接輪を除けば)専らゴムタイヤに限定される点(航空機の降着装置の接地面はゴムタイヤだけでなく、フロートや、スキッドと呼ばれる橇状の金属製枠組みの場合もある)、同じ様に囚われがちなゴムタイヤでも、単に「耐久性がある」という言葉の意味は、「重量」に対する耐久性か、「速度」に対する耐久性か(一般的な旅客機の着陸時速度はおよそ400 - 350 km/h以下なのに対し、超電導リニアは非常時500 km/h以上の最高営業速度に耐える必要がある)という差異があるため、タイヤ材料・製造方等に完全な同一性はなく、別種のタイヤを装着することになる。具体的に超電導リニアでは、高速走行中の磁気浮上力の消失に備え、550 km/hで走行中の状態から着地できる性能を持っており、ブリヂストンが戦闘機のタイヤを基に開発したという。
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