薬用・毒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/14 11:34 UTC 版)
漢方などの伝統医学では薬として使われるものもある。 南米の熱帯雨林などに分布するChondrodendron属(和名未定)、Abuta属(和名未定)、Curarea属(和名未定)ほか数属から抽出される毒はクラーレ(curare)などと呼ばれ、先住民は矢毒として使うことがある。有効成分はd-ツボクラリンなどで、神経伝達を遮断することで筋肉を麻痺させ死に至る猛毒である。また、経口摂取では毒性を発揮しないという性質があり、仕留めた獲物を食べることになる狩猟用の矢毒としては最適の毒である。この毒の構造をもとに筋弛緩剤の一種スキサメトニウム(suxamethonium)が開発されるなどとして応用もなされている。矢毒の原料となる植物には他にキンポウゲ科、キョウチクトウ科、クワ科、マチン科やトウダイグサ科があるが、地域によって主に利用される植物に違いがあり、特に南米はツヅラフジ科の有毒植物を使う民族が多いといわれている。 ツボクラリンの構造式 南米先住民が矢毒を収める竹筒 19世紀のアマゾン熱帯雨林で吹き矢を持つ人を描いた絵
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薬用・毒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 22:56 UTC 版)
漢方薬をはじめとして世界各地の伝統医学で薬用に使われる。有効成分や効能は様々である。猛毒のトリカブト属も毒を弱める処理をしたうえで薬用として利用される。 北海道の先住民アイヌはトリカブト属の根を十分に乾燥させたうえで、様々な動植物を混ぜ合わせて矢毒を作り、アマッポと呼ばれる仕掛け弓と合わせてヒグマやエゾシカを捕ったが猟銃の広まりと共に毒矢の文化は衰退したという。また、ヒマラヤ地域や中国の少数民族にもトリカブトの毒を矢や槍の先に塗りつけて使う民族があったという。毒矢に使われる有毒植物には地域性があり、トリカブト毒を使う民族はアジア圏に多いという。また東南アジアではクワ科やマチン科、アフリカではキョウチクトウ科やマチン科、中南米はツヅラフジ科やトウダイグサ科やマチン科を使う民族が多いという。古代ギリシアで起こった第一次神聖戦争では敵兵に包囲された町であるキラでは水源にヘレボルスを入れられたため、町の人は毒による下痢に苦しみ町は陥落したという。 トリカブト属の根を乾燥させた漢方薬である附子 トリカブトに含まれる猛毒アルカロイドの一種であるアコニチンの構造式 イチリンソウ属などに含まれるプロトアネモニンの構造式
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薬用・毒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 20:28 UTC 版)
クワは樹皮、葉、果実などがそれぞれ漢方の薬となっている。 東南アジアやアフリカに分布するウパスノキ(Antiaris toxicaria)の樹液は強心配糖体であるアンチアリンを含み、特に東南アジアでは矢毒に使うこともある。昔描かれた絵にはこの機の周りには草も生えないというものがある。矢毒の原料になる植物はキンポウゲ科、キョウチクトウ科、ツヅラフジ科、マチン科やトウダイグサ科などある程度地域によって決まっていることが知られており、特に東南アジアの民族はこの樹から作られた矢毒を使うことが毒矢文化における特徴とされることがある。 周囲に草も生えない樹として描かれるウパスノキ
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