蔵所町時代(1945-1952)
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「瀬戸市立図書館」の記事における「蔵所町時代(1945-1952)」の解説
瀬戸川に架かる蔵所橋の正面、陶磁器陳列館として使用していた建物の2階東側半分(23.75坪)を図書館に転用。陶磁器陳列館は1914年(大正3年)竣工の木造2階建洋館だった。記録上の開館日は1945年7月1日であるが、愛知県知事から図書館設置の認可が下りたのは8月7日であり、瀬戸市が受理したのは8月12日である。受理からわずか3日後の8月15日には終戦を迎えた。1945年度の予算には館長・司書・事務・用務員それぞれ1人の給料が含まれているが、実際に採用されていた職員の人数は定かでない。記録上の開館日である7月1日時点の蔵書数は2,412冊だった。愛知県の市部では7番目の開館である。開館時の瀬戸市にあった文化教育施設は瀬戸市公会堂と瀬戸市陶磁器陳列館のみだった。元館長の佐橋兼夫は「軍国主義一色の中で、平和な文化施設の図書館が生まれたのは、全国でもまれなケース」と述べている。 1945年の開館当時、館外貸出には5銭を支払う必要があり、さらに保証金10円を預ける必要があった。物価の高騰によって1946年(昭和21年)7月17日には値上げされ、館外貸出料は10銭、保証金は20円となった。とはいえ、実際には館長裁量で館外貸出料が無料となっていたともいわれる。1946年前半の利用者数は約300人/月だったが、1946年後半には600人弱/月に増加した。利用者の内訳は学生が39%、児童を含む無職が27%、会社員が12.5%、官公吏が10.2%、工員が7%、教員が2%、農業が1%などだった。 1948年(昭和23年)には陶磁器陳列館の西隣にある参考館(瀬戸市役所西分所)の1階東側(25坪)に移転した。1950年(昭和25年)に図書館法が公布されると、同年12月には瀬戸市立図書館設置条例が改訂され、1951年(昭和26年)7月に利用規約が改訂された。これによって保証金や館外貸出料が廃止され、10歳以上だった年齢制限も廃止された。
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