著述の目的とは? わかりやすく解説

著述の目的

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 13:58 UTC 版)

史通」の記事における「著述の目的」の解説

劉知幾は、幼いころからの学識加えて初唐の『五代史』や『晋書』編纂作業場実見した経験もあり、それらを再検証することで、歴史書執筆する際の記事採録法の問題点さまざまな事実誤認発見していた。しかし、劉知幾従事した史館実情は、監修国史矛盾する編集方針求める上に、無知無能な同僚囲まれ劉知幾さまざまな非難浴びるなど散々な状況であったこうした状況絶望した劉知幾は、景龍2年708年)に辞表叩きつけた。この辞表は『史通』忤時篇に収録されており、そこで劉知幾史官務めながらも国史編纂完成させられない理由として以下の五カ条(五不可論)を挙げている。なお、この時も含めて劉知幾何度も辞職しようとしたが、結局は許されなかった。 史局あまりに編纂官が多く各自牽制し合って一言一言記述するのにさえ決断がつかず、編纂作業進捗しない史局資料が集まらず、史官自分資料集めなければならない上に、政府機関に制度記録訪ねて失われている。 史官たちが中央の権力者と深いつながり持っていて、事実直書しにくくなっている。 史局高官監督官何人も置かれ、しかも彼らの間に統一見解がなく、執筆者仕事にならない監督官がはっきりと基準立てる、各執筆者分担定めるといった仕事をせず、責任回避するばかりで先に進まない劉知幾は、こうした史局状況下で、長安年間国史編纂神龍年間の『重修則実録編修の際に自分意見取り入れられなかったことを残念に思い自分主張著述の形で後世伝えよう考えた。そこで劉知幾が、公務とは別に私撰として書いたのが『史通』で、その制作根底には史官としての自分意見取り入れられない彼の鬱憤挫折感があった。 劉知幾は『史通』において、歴史記述方法(特に正史の記述法)に対す批判通してあるべき正史作るための方法確立しよう試みた。それは後世史官のために、国史実録執筆の際に不可欠な方法論心構え提示するものであったこうした史学批評専門著作は、中国のみならず世界的に見ても『史通』が最古級の著作であるとされる。 「劉知幾#史才論」も参照

※この「著述の目的」の解説は、「史通」の解説の一部です。
「著述の目的」を含む「史通」の記事については、「史通」の概要を参照ください。

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