脳機能イメージング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/21 03:56 UTC 版)

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脳機能イメージング(のうきのうイメージング)とは、生きている脳内の各部の生理学的な活性(機能)を様々な方法で測定し、それを画像化すること、あるいはそれに用いられる技術。脳で行われる様々な精神活動において、脳内の各部位がどのような機能を担っているのかを結びづける研究資料になる。また、正常の状態と比べることで、脳の病気の診断にも用いることができる。
脳の構造を画像化することは、診断や研究のために比較的古くから行われていたが、機能的な状態を画像化する試みは1980年代になって行われるようになった。
脳血流動態を観察する方法として、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)や、ポジトロン断層法 (PET) 、近赤外線分光法 (NIRS)による近赤外線脳機能イメージング(fNIRS)、シンチグラフィを応用した単一光子放射断層撮影(SPECT)、内因性光計測法(ISOI)などがある。また神経細胞の電気活動を可視化する方法として脳電図(脳波)、脳磁図(MEG)、膜電位感受性色素イメージング法(VSDI)などがある。
関連項目
- 脳 - 大脳皮質 - 神経細胞
- 脳科学 - 脳神経外科学 - 解剖学
- 脳機能局在論 - 脳機能マッピング - 脳機能イメージング
- 脳の大規模ネットワーク
- 膜電位感受性色素 (voltage-sensitive dye)
外部リンク
- Functional Imaging (英語) - スカラーペディア百科事典「脳機能イメージング」の項目。
脳機能イメージング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 16:43 UTC 版)
「単一光子放射断層撮影」の記事における「脳機能イメージング」の解説
詳細は「脳機能イメージング」を参照 一般に脳機能イメージングでは99mテクネチウムエキサメタジム(99mTc-HMPAO、99mTc-ヘキサメチルプロピレンアミンオキシム)がガンマ線放射トレーサとして使用される。99mTcは準安定な核異性体でありガンマ線を放出する。99mTcがHMPAOと結合してキレート化合物99mTc-HMPAOとなると、血流に乗って脳組織に吸収される。吸収量は脳血流量に比例するため、ガンマ線量の測定により脳血流量を見積もることができる。脳血流は脳各部の局所的な代謝やエネルギー消費と密接に関連することから、99mTc-HMPAOトレーサは(99mTc-エチレンジシステインと同様に)脳の局所的代謝を評価するために用いられる。認知症研究における異なる症例の比較と診断が試みられている。複数の研究のメタ分析によると、99mTc-HMPAOによるSPECT検査のアルツハイマー病に対する感度は約74%である(知能検査などの臨床検査の感度は81%)。近年の報告ではSPECTによるアルツハイマー病診断の正確さは88%とされている。別のメタ分析によると、アルツハイマー病と脳血管性認知症の識別力においてはSPECT(正確度91%)は臨床検査(同70%)よりも優れていると報告されている。これは脳の局所的な代謝活動を画像化するSPECTの特性によるものである。多発性脳梗塞では皮質の代謝活動がまばらに失われるのに対し、アルツハイマー病 では後頭部以外の皮質の機能が均一または滑らかに失われるため、SPECTで明確に両者を識別できる。99mTc-HMPAOを用いたSPEC検査と競合するのは、フルオロデオキシグルコース(FDG)を用いたPETによる脳画像診断である。PETの場合、グルコースの代謝から脳各部の状態を評価するが、局所的な脳の障害に関してはSPECTと非常に良く似た情報が得ら れる。しかし、SPECTは長寿命の扱いやすい放射性物質からトレーサを作れるという技術的理由と、トレーサを作るためのコストや撮影装置の価格も SPECTの方がかなり安価であるという経済的理由から、PETよりもSPECTの方が圧倒的に広く使われている。99mTcは比較的容易にテクネチウム-99mジェネレータで製造することができ、病院や検査センターに週ごとに配送され更新される。一方で、FDGを用いるPETでは、FDG合成のための高価な医療用サイクロトロンと隣接するホット・ラボ(放射性医薬品製造用の自動化された化学実験室)が必要で、なおかつ18Fの半減期が110分と短いため、直接かつ迅速に合成室から検査室にFDGを運ばなければならない。また、ダニエル・エイメンによれば、うつ病、双極性障害、ADHDなども脳機能イメージングで判断でき、今後の進展が期待されている。精神疾患を脳機能イメージングで診断できることは抑うつ状態時の病気の診断や、高齢者のうつ病と認知症の区別に役立つ。日本においては、精神科と脳神経内科、脳神経外科の区分と、保険制度のためこのような診療が行われることは少ない。また、ダニエル・エイメンは米国でエイメンクリニックのラーニングコースを設けている。
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