紙本墨画淡彩陶淵明愛菊図とは? わかりやすく解説

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紙本墨画淡彩陶淵明愛菊図

主名称: 紙本墨画淡彩陶淵明愛菊図
指定番号 1877
枝番 00
指定年月日 1988.06.06(昭和63.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書 応永三十二年十月徳巌の賛がある
員数
時代区分 室町
年代
検索年代
解説文:  陶淵明東晋詩人劉宋元嘉四年-四二七卒年六十三)で、性愛しを採る東籬の下、悠然として南山を見る」の句をもってよく知られる室町時代に大変愛され詩人一人で、その姿は「採図」「愛図」としてしばしば図にされている。本図応永三十二年(一四二五)十月惟肖得巌一三七〇-一四三七)の賛があり、陶淵明図としては現存する最古の作とみなされる
 図は竹持って庭に立つ陶淵明を描く。陶淵明は、画面向かって左方を向き、羅の頭布をかぶり、毛皮肩掛け掛ける姿であらわされ前方の崖際の垣根向かって右の崖際、そして手前の土坡に白菊描き添えられる陶淵明肉身を細い墨線でくくり、橙色隈取り口唇薄くさす。着衣には薄くをぼかし、衣褶に細くて鋭い折芦描風の墨線を引き、竹には黄褐色賦す花弁に白、に黄をさし、茎と葉は墨で描きには青色交える
 図には「周文」の印章白文重郭方印)が捺されており、他の周文印に比すれば、この字形、刻技も良好であるところから、筆者周文認める説が行われている。この説は、巌惟肖の著賛した応永三十三年が、ちょうど、周文朝鮮から帰国した翌年にあたり、また紙がちり交りのいわゆる朝鮮紙とみなされるところから肯首もされるが、他に同印の作が見出されない現状では、周文筆と断定するには躊躇される。しかしながらその清爽描写表現才能ある画家の作であることを想わしめる。
 本図周文筆に擬せられる応永時代優れた人物画として、その価値は高い。さらに七絶の著賛をしている惟肖得巌当代五山における「最一の作者」と称され文名ほしいままにした禅僧であり、本図価値重くしている。(賛)向かって左から
 義節前賢異論無 風流蕭散儘堪図 離亦黄菊
 高趣 奴視草間劉寄奴
 乙巳孟冬 蕉老衲 巌
 「蕉老衲」 (白文方印)
 「惟肖」   (白文方印)
 「東海〓苑」 (白文方印)



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