第5巻「現金特攻隊(キャッシュ・アタッカー)」
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初版 1980年5月30日(ISBN 978-4253063869) 現金特攻隊 アメリカ兵のブルとハリーは、銀行強盗を行っていて逮捕されたが、懲役の代わりに兵役に就いた変わり種。二人はドイツ軍が秘匿する金塊を強奪し、脱走することを企てて、ハリーに金塊の情報を教え一緒に逃げようとする女性バレリーやドイツ軍に両親を殺された幼い兄妹と共に、奪った金塊を奪ったドイツ軍戦車に積んで、一路中立国であるスイスを目指す。 疫病船 倉田艇長が率いる二式大艇は潜水艦の駆逐とパトロールが任務だった。ある日、病院船への攻撃命令が下される。病院船とは仮の姿で新型コレラを開発していた生物兵器研究施設であり、誤って新型コレラが蔓延してしまったためだ。倉田は「疫病船は焼き捨てるしかない、後は海が清めてくれる」と嫌々ながら任務を果たしたが、数日後、二式大艇の乗員が次々と倒れる。病院船の新型コレラが死体を喰った魚を媒介に、魚を釣って食った二式大艇の基地将兵にも蔓延してしまったのだ。魚が嫌いで箸をつけずに唯一生き延びた倉田は、疫病を焼き捨てるため、二式大艇の自動操縦を基地の燃料庫に向けてセットすると「疫病船を焼き捨てても海は清めてはくれん、そんなに世の中うまくいかねぇ」と十四年式拳銃を己の頭に向けて引鉄を引いた。 ビバ! シスター! ロッキー・チェンバレンとジャック・ホーソンのコンビ物。乗機を撃墜されたロッキーとジャックが漂着したのは、シスターばかりの島。この島は海賊に狙われていた。ロッキーとジャックは墜ちた乗機から救命ボート、エンジン、プロペラ、魚雷、小銃、手榴弾を取り出して即席の武装ホバークラフト艇を組み立て、反撃を行う。 戦場ブルース 南方の孤島。日本軍の切り込み夜襲は、日米両軍の相討ちで終わった。生き残りのラッパ手は瀕死の部隊長に何か内地の曲をと請われ「五木の子守唄」を吹く。それを聞いていた米軍中尉は、どうしても引鉄をひけなかった。後日、洞窟に立て籠もって抵抗するラッパ手たちに対し、中尉は苦渋の決断で火炎放射による掃討を行う。その炎の中で、再び「五木の子守唄」が響く。後年、音楽プロデューサーになった中尉は、あの日々、戦場で聞いたあの曲が最高のブルースだったと回想するのだった。 白い葬送曲 エーデルワイスの花のエンブレムを付けたドイツ軍狙撃兵シュピッツは、機密情報を持って逃げる男を追っていた。その男とは、戦前、バイアスロン競技でライバルだったフィンランドの選手キャンベルだった。雪の中、命がけのバイアスロンが始まる。バイアスロン選手として技量の高かったキャンベルは、シュビッツの胸を撃ち抜く。キャンベルは最後のチャンスと、弾丸1発と照準が狂うように銃身をよく冷やした狙撃銃を瀕死のシュビッツの前に残して立ち去ろうとした。防寒用に持っていたブランデーを銃身に振りかけ火を点した狙撃銃でシュビッツは振り返ったキャンベルの額を撃ち抜く。自分は兵士になってしまったがキャンベルは最後まで選手だったのかと、死んでもキャンベルの後を追うことになるシュビッツは思うのだった。
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