第4巻 この手でできること
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 15:42 UTC 版)
「まおゆう魔王勇者」の記事における「第4巻 この手でできること」の解説
蒼魔族を壊滅させ、白夜の国だった地域を占領する聖鍵遠征軍。魔族との通商を模索する「同盟」は後手に回ってしまったが、マスケットの整備補修を妨害するため木炭の供給に工作を始める。 蒼魔族が残した物資、特にブラックパウダーの原料となる硝石を探す遠征軍。この頃、傭兵たちの生き残りと接触したメイド姉は傭兵隊長代行として硝石を焼却処分する。その時メイド姉は「選択肢が決まっていると思ってはいけない。提示されている選択肢の両方を選ぶこともできるはず」と傭兵たちに諭した。 その時奏楽子弟は、遠征軍の農奴部隊にまぎれこんでいた。この戦いの結末を見届けるため、自分の足で故郷へ帰るために。 そしてついに、遠征軍は魔界への侵攻を始める。総勢20万人とも称される人の波は、怒涛のごとくゲート跡の大穴へ殺到、占拠した。遠征軍は勢いを落とすことなく魔界の荒野を進軍、開門都市へと迫っていく。その頃、遠征軍追撃のため、獣牙の民も南部の地を離れ魔界へと戻った。 都市を戦場としないため、都市の外に布陣する魔族の軍。遠征軍とついに激突。だが、圧倒的な物量差とマスケットの前に、脆くも蹂躙される。追撃してきた銀虎公率いる部隊も加勢に入るものの、劣勢を覆すに至らず、大きな痛手を負った魔族軍は都市へと撤退、銀虎公も討ち取られてしまった。 遠征軍追撃のために出立する南部連合軍。それとは別に、メイド姉も遠征軍の補給船を奪って魔界へとやってきた。策をもって火竜大公と面会するメイド姉。彼女が大公に求めたのは、竜族の至宝である「ひかりのたま」。 その頃、組織も指揮系統も統一されていない遠征軍は、戦略方針の不一致による混乱を見せていた。このまま進軍して開門都市を陥落させるか、周辺地域から物資を集めて地歩を固めるか。進軍と占領、略奪、そして新たな恩貸地しか見ていない貴族たちは、物資調達を王弟元帥に押し付ける。戦力を分散させる愚を知りながらも、元帥は蒼魔族の領地へと向かった。 大公は激怒した。ひかりのたまは至宝にして失うべからざるもの。しかし、不退転の決意をもって説得を続けるメイド姉に心を動かされ、「魔界を闊歩している人間の軍のうち、どれか一つでも撤退に追い込めたら、ひかりのたまを譲渡する」と約束。それを取り付けたメイド姉は蒼魔族の領地へと向かった。 蒼魔族の領地に到着した王弟元帥。そこにいたのは、人間であるメイド姉。彼女は氏族長たちの了解を取り付け、この地域の領主となっていた。人間の治める地へ侵攻する元帥の非を鳴らすメイド姉。対して、大主教、ひいては教会からの命令に従っているだけだと言葉巧みにかわそうとする元帥。二人は一歩も譲らず、時は過ぎて行った。 地上では、教会の権威失墜を狙って青年商人が蠢動していた。彼は、教会が発行している為替を集め、西部の都市で集中して換金させて換金不可能状態を作り出し、取り付け騒ぎを演出し、計算されたパニックを作り出した。これにより、青年商人は聖国王に多大な恩を売ることに成功、停戦への道筋の一つを作ることに成功した。
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