第2期複線化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 00:33 UTC 版)
また、2004年の近畿交通審議会答申第8号で「輸送力の強化等によるサービス向上に資する事業」として、未だに単線区間が残るJR藤森駅 - 宇治駅間と新田駅 - 木津駅間の複線化が盛り込まれている。JR西日本と京都府は、山陰本線(嵯峨野線)京都駅 - 園部駅間が全線複線化が2010年3月に完成したことから、奈良線複線化の協議開始で合意し、2010年4月以降にJR西日本や沿線市町と費用負担や整備方法をめぐる協議を始める予定と同年1月に報じられた。京都府は2010年6月の京都府議会において、整備計画策定費1000万円を補正予算に計上した。 ただし、自治体の財政状況やJR西日本の経営状態から、全線複線化ではなく限定的になる可能性が高く、2011年に着手したとしても、山陰本線と同様の工期と想定した場合、複線化工事が完了するのは早くても2018年になる見通しと報じられた。 2012年1月25日、京都府はJR藤森駅 - 宇治駅間 (9.9km)、新田駅 - 城陽駅間 (2.1km)、山城多賀駅 - 玉水駅間 (2.0km) の複線化に向け、測量などの調査を新年度から行うことを発表した。この複線化にあわせて、京都駅・棚倉駅の改良工事も予定されている。なお複線化が行われる場合、宇治駅 - 黄檗駅間には新駅が設置される可能性にも言及されている。 2012年6月26日の京都府議会の定例会で知事(当時)の山田啓二は、JR奈良線の複線化について2013年度に着手することを表明した。工期は10年程度とされている。 2013年6月14日、京都府および関係市町とJR西日本は、複線化第二期事業について合意したと発表し、同年8月13日に基本協定書が締結されている。それによると、2012年1月の発表にあった3区間合計14.0kmが複線化され、複線化率は23.6%から64.0%に向上する。あわせて京都駅・六地蔵駅の構内改良や棚倉駅の一線スルー化も実施される。事業費は約369億円の予定で、京都府と関係市町が各138億円を補助する。事業期間は約10年間を想定。2016年7月26日には、複線化工事の起工式典が行われた。 2020年3月時点の事業費は397.1億円。うち京都府が148.5億円、関係市町が148.5億円を補助する。2023年春に複線化開業を予定している。 残る単線区間も、第二期事業に城陽駅以南を含んだことで今後の複線化対象とみなされているが、具体化はしていない。 環境省は、列車走行に伴う住居等保全対象への騒音影響を回避・低減するため、音源対策に加え、沿線住民の意見を踏まえた防音壁の設置を基本とする適切な措置を講ずること、事後調査の結果が指針を達成しない場合は追加的な措置を講ずること、宇治川の橋梁について、眺望景観への介在が小さく、周辺景観との調和が図られる構造を採用すること等を求めている。 近畿地方交通審議会で、将来、東海道本線(JR京都線)と相互直通列車の運転を図る案が検討されている。 2020年12月6日に山城多賀駅 - 玉水駅間、2022年2月27日に新田駅 - 城陽駅間、同年5月22日に六地蔵駅 - 黄檗駅間[出典無効]の複線化が完成した。
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