第18巻 - 第26巻
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「汽車のえほん」の記事における「第18巻 - 第26巻」の解説
ケニーの代わりとして出版社が選んだ5人目の画家は、スウェーデン生まれの女性画家、ガンバー・エドワード (Gunvor Edward) であった。 彼女は「がんばりやの機関車」から早速担当することになった。まず第4話の初めの挿絵から始めてみたが、限られた構図の中に5両の機関車を正確に描くのは、自分では困難な仕事であると感じたようで、同じ画家の夫ピーター・エドワード (Peter Edward) に描けるかどうか試してもらった。このことがきっかけで仕事を手伝ってもらい、後にピーターが機関車、ガンバーが背景の担当になった。ちなみにロンドン生まれのピーターはガンバーと英国で知り合い、結婚後一度スウェーデンに住んでから、ロンドンに戻っている。 こうしてガンバー&ピーター・エドワーズの共作挿絵によりシリーズは再開した。オードリーと新しい挿絵画家夫妻との関係は最初のミーティングから順調に進んだ。実際の保存鉄道の機関車を見て描く等、機関車のディテールは歴代挿絵画家中最高の精度で、細部の挿絵は巧みで魅力があり「明らかにキャラクターに対する愛情を持っています」と語るまでに、オードリーはエドワーズ夫妻の挿絵の仕事に感謝した。 1960年代に入り、イギリス国鉄の無煙化・近代化計画は急速に進行した。多くの蒸気機関車がディーゼル機関車・電気機関車・電車への置き換えに伴いスクラップとなり、イギリスの本線上から蒸気機関車が消えるのはもはや時間の問題であった。また、イギリス国鉄の財務収支改善のため、多くの不採算地方路線が廃線され(ビーチング・アックス)、その跡地を利用した保存鉄道群が増えていった。このような事情もあり、オードリーは保存鉄道の援助活動により注力するようになった。18巻・23巻では、暗にイギリス国鉄の無煙化計画を批判しているとも取れる描写も存在する。従来から描かれているスカーローイ鉄道(タリスリン鉄道)の物語が増えた他、18巻ではブルーベル鉄道、19巻ではスノードン登山鉄道、22巻ではレイブングラス・エスクデール鉄道をそれぞれ援助するための物語が描かれた。また、13巻に続き、18巻のステップニーや23巻のフライング・スコッツマンなど、現実に保存されている著名な蒸気機関車が登場している。エドワーズ夫妻はこれらの保存鉄道や蒸気機関車達の姿をリアリティーある挿絵に仕上げ、物語を魅力的に彩った。 1968年にイギリス国鉄で蒸気機関車の運行が終了した。蒸気機関車を主題とした創作の題材を取得し難くなったこともあり、オードリーは「井戸は干上がった」と感じて、第26巻「わんぱく機関車」をもってこの絵本シリーズをいったん終了することにした。
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