第18巻5章2節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 00:59 UTC 版)
「サロメ (ヘロディアの娘)」の記事における「第18巻5章2節」の解説
ここでは、洗礼者ヨハネの処刑が記述されている。途中を一部省略したが、節の始めと末尾部分を引用する。 さて、ユダヤ人の中にはヘロデ〔・アンティパス〕の軍隊の壊滅は、洗礼者と呼ばれたヨハネに対して彼が行ったことへの神による罰であり、全く義にかなった事だと考える者たちがいた。というのも、ヘロデは彼を殺害したのである。が、ヨハネは、正しい人であり、ユダヤ人たちに互いに義なるを行い、また神への敬虔を尽くせと命じ、その証に洗礼を受けに来るように言っていたのである。〔中略〕さて、人々が群れをなしてヨハネの許に押し寄せ、彼の言葉に大きな感銘を受けていた。ヘロデは、ヨハネの民衆への大きな影響力が、彼の権力に及び、叛乱へと繋がることを恐れた。彼は、ヨハネがもたらすかもしれない一切の悪影響を防止し、一人の人間の命を惜しんだが故に、ことが起きてから手遅れだったと後悔する様な困難に自らを陥らせぬためには、殺してしまうのが最善だと考えた。そこでヘロデは、その猜疑心を払拭すべく、囚人を、既に私が言及した城である、マカイロスに送り、そこでヨハネを殺害した。で、ユダヤ人の間に、彼の軍隊の壊滅はヘロデへの罰であり、神が彼を不快に感じている証だとの説が生じたのである。 — 『ユダヤ古代誌』第18巻5章2節 すなわち、ヨセフスによればヨハネの処刑はあくまでヘロデ・アンティパスの政治的決断である。従って、ヘロディアや、その娘は処刑にかかわっていないことになる。また、ヨハネの処刑はマカイロス要塞で行われており、この点もマルコが利用した伝承とは異なっている。
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