秩序型と無秩序型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 05:40 UTC 版)
「ロバート・K・レスラー」の記事における「秩序型と無秩序型」の解説
レスラーは、著書『FBI心理分析官』の中で、殺人を『秩序型』と『無秩序型』の2つに分類している。秩序型の犯人は、事前に犯行計画を練っており、自分の空想を現実にする。その空想は、何年も前から犯人の頭の中で徐々に形作られていくという。秩序型犯罪の被害者の大半は、犯人とは面識が無く、犯人にはたまたま狙われたという場合が多い。特定の地域を歩いて、年齢、容姿、職業、髪形、生活様式が決定的な要素となる。また、秩序型の犯人は、被害者を自分の思うままにするため、謀略によって相手を騙すという手段を取ることが多く、口が達者で、被害者を上手に誘い込むだけの高い知能を持っているという。また、被害者を殺害する前に、会話をかわすなどして人間として扱う。レスラーは、この類型をジョン・ウェイン・ゲイシーやテッド・バンディに当てはめている。 一方の無秩序型は、被害者を気まぐれに選ぶ。殺す標的が、自分にとって殺すのに危険を伴う、状況を思いのままに支配できない相手を選ぶという。被害者の遺体を見ると、被害者が激しく抵抗したことを示す防御創が見られる場合があるとレスラーは言う。また、無秩序型の犯人は、被害者の人格には一切の関心を示さない。会話をかわさず、すぐに相手の意識を失わせたり傷を付けたりして、人格を抹殺し、人間扱いをしないことが多いという。この点も、秩序型の犯人とは大きく異なる点である。秩序型の犯人の犯罪は計画的に行われるため、犯行には犯人の論理が示されているが、無秩序型の犯人の犯行には、論理が欠如しており、捕らえられてから自分の犯した行為について説明させない限り、なぜその被害者を選び、その犯行を犯したのかが分からないことが多い、という。 17人を殺害したジェフリー・ダーマーについては、レスラーは秩序型にも無秩序型にも当てはまらない、「混合型」の殺人者であると見ており、「精神異常」を理由として、裁判では情状酌量の余地があり、刑務所ではなく精神病院に収容すべきだと考えた。 レスラーは、大昔から現代に至るまで、どの時代、どの国にも、無秩序型殺人犯は一定の割合で存在しており、何かの拍子で見境いなく人間を殺し、捕まるか殺されるかしない限り、やめることはないという。いつの世にも、こうした殺人犯は存在してきたし、現実の犯罪(殺人)を防ぐことはできないとしている。
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