福祉元年
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高度経済成長の中で革新自治体の誕生や参議院での保革伯仲国会などの当時の政治状況への危機感から、田中角栄内閣は1973年を福祉元年と位置づけ、社会保障の大幅な制度拡充を実施した。具体的には、老人医療費無料制度の創設(70歳以上の高齢者の自己負担無料化)、健康保険の被扶養者の給付率の引き上げ、高額療養費制度の導入、年金の給付水準の大幅な引き上げ、物価スライド・賃金スライドの導入などが挙げられる。第一次石油危機を契機とした先進諸国が低成長化によって税収が減少、社会保障の抑制の必要性がされるようになる。高齢者への無償福祉や低額福祉導入後、先進諸国における人口の急激な高齢化・少子化は社会保障の役割と規模の拡大によって社会保障費が増大し続けている。 日本の社会保障給付費の推移年度金額国民所得比1980年 24兆9290億円 12.23% 1985年 35兆6894億円 13.70% 1990年 47兆4238億円 13.67% 1995年 64兆9918億円 17.10% 2000年 78兆4062億円 20.10% 2005年 88兆8529億円 23.89% 2010年 105兆3647億円 28.89% 2015年 116兆8133億円 29.75% 2019年 123兆9241億円 30.88% 2025年(2018年の予測) 140兆8000億円 2040年(2018年の予測) 188兆5000億円 社会保障給付費の対GDP比は、2018年度の21.5%(名目額121.3兆円)から、2025年度に21.7~21.8%(同140.2~140.6兆円)となる。その後15年間で2.1~2.2%ポイント上昇し、2040年度には23.8~24.0%(同188.2~190.0兆円)となる。 社会保障負担の対GDP比は、2018年度の20.8%(名目額117.2兆円)から、2025年度に21.5~21.6%(同139.0~139.4兆円)となり、2040年度は23.5~23.7%(同185.6~187.3兆円)へと上昇する。その内訳をみると、保険料負担は2018年度の12.4%(同70.2兆円)から、2025年度に12.6%(同81.2~81.4兆円)となり、2040年度には13.4~13.5%(同106.1~107.0兆円)へと上昇、公費負担は2018年度の8.3%(同46.9兆円)から、2025年度に9.0%(同57.8~58.0兆円)となり、2040年度には10.1~10.2%(同79.5~80.3兆円)へと上昇する。(「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」(2018年5月厚生労働省推計) の「計画ベース・経済ベースラインケースによる」のケースによる)。
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