研究活動・研究内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 02:58 UTC 版)
日本各地と、ヨーロッパ、中国、ロシア、モンゴル、ニュージーランドなど世界の城を踏査し2,000ヶ所を超える。日本の本土だけではない沖縄・北海道など各地の城や、世界の城との発達の共通性や法則性を世界的な視野で検証し、城から歴史を考える比較城郭考古学を提唱している。 特別史跡熊本城跡文化財修復委員や特別史跡名古屋城跡の石垣部会委員、史跡佐賀県肥前名護屋城跡・陣跡、史跡三重県松坂城跡、史跡長野県松代城跡、史跡愛知県犬山城跡・長篠城跡、史跡北海道館城跡で、調査と整備・活用の委員を務める。他に、史跡長崎県原城跡、史跡石川県金沢城跡・七尾城跡、史跡福井県白山平泉寺跡、史跡三重県松坂城跡、史跡長野県上田城跡、史跡青森県弘前城跡の調査・整備の委員を務める。 1986年に奈良大学文学部文化財学科へ提出した卒業論文「織豊系城郭の構造」(『史林』第70巻第2号、1987年に掲載)で、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の城を規範に家臣たちが共有し、近世城郭のもとになった城郭プランを「織豊系城郭」として理解することを提唱し、並立的構造を基本にした戦国期城郭が、織豊系城郭の広がりとともに本丸を頂点とした求心的構造をもつ近世城郭に変化したのを理論的に明らかにした。この研究によって戦国期城郭と近世城郭を一貫して捉えて、城から歴史を究明する新しい研究方法が確立した。2015年に「わが国における城郭の考古学的研究を新たに開拓しその確立と発展に寄与した」ことにより、岸和田市と朝日新聞社から第28回濱田青陵賞を受賞。2016年のNHK大河ドラマ『真田丸』では真田丸などの復元考証を行う真田丸城郭考証を務めた。2017年に「歴史秘話ヒストリア」「趣味どきっ・お城へ行こう!」などに出演し、城郭に関する知識と最新の知見をわかりやすく解説し、番組の品質向上などに貢献したことにより、日本放送協会大阪放送局長より感謝状を贈られた。2018年に奈良新聞社から奈良新聞文化賞を受賞し、熊本県宇土市から市政施行60周年記念の、教育文化部門の市政功労表彰を受けた。2021年より姫路ふるさと大使を務めている。
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