着陸そして大破
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 06:45 UTC 版)
「ユナイテッド航空232便不時着事故」の記事における「着陸そして大破」の解説
15時59分時点におけるスー・ゲートウェイ空港の天候は、一部曇りで周囲には積雲があった。視程は15マイル(24キロ)、風は360度の方角から風速14ノット(約26キロ毎時)だった。 進入中、高揚力装置は格納されたままだった。TCA機長は、副操縦士の速度計と機外を見ながら、第1、第3エンジンのスロットルレバーを操作していた。TCA機長は、高揚力装置を使用しない進入の経験から、降下を制御するためには推力を用いる必要があることを知っていた。TCA機長の証言によると、彼は進入中にスロットルを一定にすることはなく、常に調整し続けた。15時59分44秒から8秒間、対地接近警報装置が、降下率が大きいことを警告した。 ここから着地までのコックピットボイスレコーダーの記録はおおむね以下のとおりである。 15時59分58秒:機長「スロットルを閉じよ」 16時00分01秒:TCA機長「いや、スロットルは引けない。そうしたら失敗する」 4秒後:副操縦士「左、アル」「左スロットル」「左、左、左、左…」 16時00分09秒:別の対地接近警報が鳴り始める 続けて、副操縦士「曲がってる、曲がってる、曲がってる」 16時00分16秒:衝撃音、そして記録終了 着地までの20秒間、事故機は対気速度が215ノット(時速約398キロメートル)、降下率が毎分1,620フィート(約494メートル)で飛行した。ピッチとロールの緩やかな振動が続いていたが、着地寸前に右主翼が急激に下がった。このとき、地上100フィート(約30メートル)で、ほぼ同時に機首が下がり始めたと機長は証言している。機体は滑走路22の終端、センターラインのやや左側に着地した。右主翼の翼端が地面に接触し、続いて右エンジンと右主脚が接地した。右エンジンは接地してすぐ爆発炎上した。機体は滑走路右側に横滑りし、右主翼と機体尾部が分離した。残りの機体も火の車のように横転しながら分解、炎上しつつ滑走路17を横切って停止した。裏返しになった胴体中央部は、最初の着地点から3,700フィート(約1キロ)離れたトウモロコシ畑で停止した。機体は衝撃と火災で破壊された。
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