盗作問題と誤った記述
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 10:16 UTC 版)
2007年6月、幻冬舎からの著作『新・UFO入門』の中の文章の一部が、インターネット上のあるブログから剽窃したものであるという問題が発覚した。ブログ主宰者から指摘されると、唐沢は自身のサイト上において、確かに参考にしており、当該ブログより多くのものを得たことを明示していなかったことは手落ちであると詫びたが、悪意や盗用の意思はなかったとも主張した。 後にブログ主宰者との交渉は唐沢から幻冬舎の法律担当に引き継がれたが、交渉経緯や謝罪文の公表をめぐって決裂したため正式な和解には至らず、唐沢は当該ブログの「内容とほぼ同一の文章を無断で掲載してしまった」との謝罪文をサイトに掲載した上で、『新・UFO入門』の二刷において該当ブログより無断で掲載していた旨を記して刊行した。ただし、後者に関してブログ主宰者には一切の連絡がなかったという。 『新・UFO入門』においては他にも、新戸雅章の文章が無断で改竄のうえ使用されているのではないかと新戸本人などより指摘されているほか、他のウェブサイトからの盗用も指摘されている。なお、『新・UFO入門』は改訂後増刷はされず絶版となっており、唐沢が予告していた続編も発表されていない。 唐沢はその後、『社会派くんがゆく!復活編』において、この件は単なる「引用ミス」であるとした上、ブログ主宰者側の過大な要求があったかのように主張し、批判されている。また村崎百郎は、唐沢との対談の中で、「この件(引用者注:盗作)に関しては諸悪の根源が唐沢さんにある」と述べている。 この件をきっかけとして、他の書籍における文章盗用問題が取り沙汰されるようになり、2005年8月に発行した唐沢俊一著『唐沢先生の雑学授業』の中に、メルマガ『知泉』に書かれたアントニ・ガウディの雑学がほぼそのままの形で盗用されていることも指摘されている。それ以外にも知泉で書かれていた物が多く唐沢俊一の著書に流用されていることがその後の検証で発覚している。 『唐沢俊一のトンデモ事件簿』や雑誌『ラジオライフ』上での連載にもウェブサイトからの盗用が指摘されている。また『唐沢俊一のトンデモ事件簿』に関しては、アイルランド共和軍はアイルランド独立を目指す組織である(実際にはアイルランドはすでに独立しており、現在の目標は北アイルランドの統合である)、俳優ショーン・コネリーはアイルランド独立運動を支援しているためにサーの称号をもらえないでいる(実際には彼が支援しているのはスコットランド独立運動であり、しかも2000年にナイトの称号を授与されている)、といった間違った記述があることも指摘されており、唐沢の雑学知識を疑問視する意見もある。 これらの検証サイトに反応する形で、京都大学の安岡孝一准教授やミステリ作家藤岡真など出版業界と深く関係を持つ人々のブログなどでも同様の問題が指摘されている。また映画評論家町山智浩はブログで唐沢のプロフェッショナルとしての資質を厳しく問うて非難している。ライターの松永英明は、資料を読み込み自分の文章でまとめる、あるいは出典を明記するといったことを怠り盗用を繰り返すことに対して、「文章を扱う者としての意識に根本的な問題がある」と批判している。
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