発作時の対処とは? わかりやすく解説

発作時の対処

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 02:53 UTC 版)

気管支喘息」の記事における「発作時の対処」の解説

初期治療 まずは初期治療として酸素投与、および吸入β2刺激薬投与を行う。シムビコートタービュヘイラー吸入を行う。以前はサルブタモール(サルタノールインヘラー)2吸入20分毎3回プロカテロール(メプチンエアー他)2吸入20分毎3回などが行われていたが、作用時間が短いため、反復して吸入患者強いられていた。ホルモテロール即効性がある上、長時間作用するためコンプライアンス向上するフルティフォームホルモテロール含有するが、日本においては発作吸入認可されていない。 また酸素飽和度SpO2)が92%以上になるようにコントロールする定量噴霧吸入器MDI)によってうまく吸入できない高齢者重度気流制限認められる場合超音波ネブライザー用いて吸入を行う。サルブタモール吸入液(ベネトリン他)0.3ml - 0.5ml(1.5mg - 2.5mg)を生理食塩水2mlと混ぜて吸入を行うことが多い。サルブタモールと生理食塩水の量、比に関しては十分量吸入がされていれば治療効果に差はないとされており、ネブライザー形状にあった量とすることが重要である。ネブライザーでもMDIと同様、20分毎3回吸入行い、少しでも効果見られたら2時間まで20分毎の吸入繰り返していとされている。 初期治療改善認められない場合中等度以上の発作、あるいは窒息死リスクファクターがある場合はさらにステロイド点滴追加するメチルプレドニゾロンソルメドロール他)40mgを生理食塩水50mlに融解し30分の点滴投与ヒドロコルチゾン(ソルコーテフ他)200mgを生理食塩水50mlに融解し30分の点滴投与を行う。これらはコハク酸エステル型ステロイド剤であるためNSAIDsにて喘息誘発される場合や鼻疾患合併がある場合ベタメタゾン注(リンデロン他)4mg - 6mgやデキサメタゾン注(デカドロン他)6mgに変更した方が安全である(経口ステロイドではこのようなことは注意する要はない)。 ステロイド投与行い2時間経過しても改善認められない場合入院適応になる。十分な効果得られず、呼吸困難持続する場合はアドレナリン(ボスミン)0.3mgの皮下注を行う。同剤の適応45歳以下で、高血圧虚血性心疾患不整脈頻脈ない場合である。20毎に反復投与行ってよいが血圧脈拍動悸振戦注意が必要である。心拍数を130bpm以下に保つために心電図モニタリングが必要である。アドレナリンを使用する症例では気管挿管が必要となる場合もあるため、準備を行う。なお、エピネアドレナリンは子宮動脈収縮作用があるため妊婦の場合はテルブタリン(ブリカニール他)0.2mgの皮下注に変更するオプションとして経気道的な気管支拡張薬投与不可能な場合テオフィリン製剤点滴考慮するアミノフィリン6mg/kgを5%ブドウ糖液250mlで希釈し半量15分残り45分点滴静注するのが一般的である。 軽症中等症では無効とされているが重症喘息ではマグネシウム1g - 2g(マグネゾール2g/20mlまたはコンクライトMg1Aやアミサリン100mg/1ml)の静注ステロイドやSABAが使用されたうえでは効果認められる。 後療法 発作中等度以上であった場合経口プレドニゾロン15mgを一日二回5日分ほど処方し近日中専門医かかりつけ医受診促すMDI十分に残っていることを確認する発作中等度でも1時間以内改善した場合帰宅可能であるが、軽度でも窒息死リスクファクターがある場合入院治療が必要である。 気管内挿管の適応 初期治療行ったにもかかわらず呼吸減弱呼吸停止意識障害認められたり、酸素投与下でもPaO2が50Torr以下やPaCO2が50Torr以上やpHが7.25以下、不整脈頻発場合気管内挿管行い入院治療を行う。 入院適応 入院が必要な場合としては、中等度以上の発作であり、気管支拡張薬ステロイド全身投与にもかかわらず2時間経過しても反応ない場合治療後でも酸素飽和度90%以下の低酸素状態が継続する場合治療後PEF値が60%未満場合や、窒息死ハイリスクグループである場合などがあげられる入院では酸素療法継続気管支拡張薬吸入継続(サルブタモール吸入液の吸入4時間毎、20分以上あけて追加投与可能)、その他メチルプレゾニドロン60mgを1日3回ほど点滴静注する。テオフィリン製剤用い場合もある。喘息治療影響与え因子としては感染症鼻炎副鼻腔炎アレルギー性鼻炎鼻ポリープGERD薬物βブロッカーACEI)、アレルギー喫煙声帯機能不全夜間症状がないのに早朝急に嗄声などの症状出現する)をはじめとする心因性疾患などがありこれらも可能な限り治療行っていく。コントローラーステップアップにて症状安定し、他疾患除外できれば退院となる。

※この「発作時の対処」の解説は、「気管支喘息」の解説の一部です。
「発作時の対処」を含む「気管支喘息」の記事については、「気管支喘息」の概要を参照ください。

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