発作消滅後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 10:11 UTC 版)
「ケトジェニック・ダイエット」の記事における「発作消滅後」の解説
ケトン食療法を続ける小児患者の20%は発作が無くなり、患者の多くは抗癲癇薬の投与を減らすか、あるいは薬が完全に不要となる。通常、ケトン食療法を開始して2年が経過するか、もしくは発作が見られなくなってから半年が経ったころに、2~3か月かけて、ケトン食を徐々に中止していく。尿からケトン体が検出されなくなるまでケトン体の産生比率を下げていき、摂取エネルギーの制限をやめていく。ケトン食をやめるべき時宜とその方法については、抗癲癇薬による投薬療法で発作が無くなった子供に対する場合とよく似ている。特定の代謝性疾患を治療する際にケトン食の処方が必要だと判断された場合、ケトン食の続行は延長される。ケトン食療法をいつまで続けるかは、ケトン食療法に取り組む医療側と、患者の両親次第である。ケトン食を12年間続けた研究では、有益な結果をもたらしている。 発作が消えてからケトン食をやめた場合、発作が再発する可能性は約20%である。再発するまでの期間については大いにばらつきがあるが、平均すると2年である。再発の可能性については、脳の一部を切除する手術を受けた場合は10%、抗癲癇薬による投薬療法をやめた場合は30~50%にまでなる。発作が再発した患者の半数以上は、抗癲癇薬の投与、もしくはケトン食療法を再開することで発作が消える可能性が出てくる。発作が起こっていない状態で脳波に癲癇スパイク( Epileptiform Spike )が見られる場合、脳内で癲癇活動 ( Epileptiform Activity )が起こっており、再発しやすくなる。結節性硬化症( Tuberous Sclerosis Complex )を患っている子供がMRI( Magnetic Resonance Imaging, 核磁気共鳴画像法 )による精密検査で病巣の異常が見付かった場合も再発の可能性が高まる。そのような場合は、ケトン食療法を続けることで発作が消える可能性があり、結節性硬化症を患っている子供で発作が消えたあとも無期限に続けられる。
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