生ごみ堆肥化容器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 06:02 UTC 版)
庭などにプラスチック製の円柱を埋め込み堆肥を作る容器。このタイプのコンポスターは、攪拌と水分の調整などをしっかりと行っていれば好気型コンポスターとなるが、攪拌不足や水分過多による通気性の阻害によって酸素供給が阻害されると、悪臭を発し分解速度の遅い嫌気型コンポスターとなってしまう。嫌気型コンポスターでも、生ごみは分解され堆肥はできるが、好気型と比較すると品質の落ちるものになってしまう。また、好気時、嫌気時ともに、密閉をしっかりとしないと虫などが湧いてしまう。これらのため、生ごみ堆肥化容器は、保守管理が重要である。 生ごみを投入した直後は、生ごみを堆肥化容器内の微生物に触れさせ分解効率を高めるためよく攪拌を行う。また、生ごみ投入後は最も微生物が酸素を要求する時であるから、いつもよりも攪拌の頻度を増したほうがよい。生ごみを投入していない時期は、攪拌の頻度は少なくてもよい。 水分に関して、最も気をつけなければいけないのは水分過多である。これは、生ごみのほとんどが水分であることに起因する。生ごみの含水率は80%w.b.以上であり、これは乾物質量1に対して水分が4以上である。そのため、できる限り生ごみの水分を切ってから、投入することが望ましい。もしも、水分過多になってしまった場合は、乾燥した資材を混ぜることによって水分割合(含水率)低下させて、通気性を改善する。資材は、市販のチップに限らず、乾燥した落ち葉やおが粉などの乾燥した有機物であれば可能である。逆に、しばらく使用しなかったため水分不足になってしまった場合には、加水が必要である。目安は土を握って形が崩れない程度がよいとされている。 また、投入する生ごみは、できる限り細かくして単位体積あたりの表面積を大きくしたほうが分解効率が上がる。これは生ごみを分解する微生物が付着する面積が広がるためである。 良好な好気型の分解が進むためには、温度が要求される。電動式の生ごみ処理機の場合には、堆肥化が促進される40℃前後もしくは60℃前後まで温度を上昇させる機能がついているが、生ごみ堆肥化容器はそれらの機能がなく温度の上昇の方法は、好気性微生物による自己発熱によるところが大きい。そのため、できる限り保温性の高い生ごみ処理容器の利用や、温度が高い日のあたる場所への設置が好ましい。条件が整えば、60℃近くまで温度が上昇することもある。しかし、夏場に関しては温度が上昇しすぎる場合があるので、上蓋を外すなどの対策が必要である(その際は、虫が入らないように注意)。 自治体によっては、堆肥化容器に補助を行うところもあるが、自宅に庭などが無い、そもそも自宅での家庭菜園や花壇つくりなどに興味が無く堆肥を作る意義も感じない、どうしても寄ってきがちな虫が苦手で生ゴミを家で処理することをやりたくないという意見もある。
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