現行の車両レギュレーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 03:36 UTC 版)
「スーパーバイク世界選手権」の記事における「現行の車両レギュレーション」の解説
排気量上限は4気筒および3気筒は1,000cc、2気筒は1,200cc。最低重量168kg。エンジン部品の変更はカムシャフトのみ認められている。エンジンは年間の開催ラウンド数の半分(端数切り上げ)の基数のみ使用可能であり、これを上回る数のエンジンの使用はペナルティの対象となる。 参戦車両毎にエンジンの回転数上限が設定されている。これは「カタログスペックにおける最高出力発生時の回転数+1,100rpm」又は「市販車両をダイナモメーターに掛けた際の3速と4速のレブリミット平均の103%」のいずれか低い方とされており、シーズン開始までにFIMによって決定される。戦力の均衡を図るために3大会毎に見直しが行われ、250rpm単位でシーズン中突出した成績を収めた車種に対しては引き下げ、成績の振るわないメーカーの車両に対しては引き上げられる。 この回転数上限は接戦の演出を目的に恣意的とも取れる設定がされることもある。特に近年支配的な立場にあるカワサキが狙い撃ちにされており、2018年、ニンジャZX-10RRの回転数上限は規定よりも更に低い、14,100rpmとされていた。また、2021年型ニンジャZX-10RRには軽量ピストンが採用され、カタログ上最高出力発生回転数が従来型より500rpm引き上げられたが、FIMは変更された部品が少ないことを理由にこれを新しいエンジンとは認めず、最高回転数は据え置かれた。 参戦車両の最高回転数(開幕時)2020年2021年メーカー車種最高回転数(rpm)車種最高回転数(rpm)BMWS1000RR 14,900 M1000RR 15,600 ドゥカティパニガーレV4R 16,100 パニガーレV4R 16,100 ホンダCBR1000RR-R 15,600 CBR1000RR-R 15,600 カワサキニンジャZX-10RR 14,600 ニンジャZX-10RR 14,600 ヤマハYZF-R1 14,950 YZF-R1 14,950 太字は新型車両 車体に関しては基本構造や外観の大幅な変更は禁止されているが、フレームの補強、フロントフォークやスイングアームの変更は認められている。ブレーキシステムの変更は認められているがカーボン製ブレーキディスクの使用は禁止されている。ウイングレットについては市販状態で装着されていない車両への後付は認められない。 参戦コストの削減と戦力の均衡を目的として主要部品は公認制で価格の上限が定められており、ワークスチームが使用する部品と同じ物はプライベーターでも使用可能である。これによりワークス車両とプライベーター車両はハードウエアとして同等となりうるが、ECUにはプライベーターでは操作できない設定項目があるなどにより必ずしもワークス車両と同じ性能を得られるわけではない。 2015年以降エンジンの改造範囲が大幅に縮小されたこと、2018年にエンジン回転数上限が導入されたことにより、参戦に使用する市販車両の性能が以前にも増して重視されることとなった。2019年、ドゥカティが伝統の2気筒から4気筒へ転向、ライバル車両を大きく上回る最高回転数・最高出力を発揮するパニガーレV4Rを投入したことをきっかけに1,000ccクラスのスーパースポーツ車両の性能競争が激化している。
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