現在の名護市久志地域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/14 05:53 UTC 版)
合併後は人々は市の中心部の名護や市街地に近い西海岸の屋部・羽地とは対照的に、旧村域は人口がさらに減少し衰退の一途をたどった。特に米軍基地があり(名護市街に通じる)国道329号沿いの久辺三区(久志・豊原・辺野古)より名護市街から遠い二見以北の国道331号沿いの集落のほうが過疎化が進んでいる。 道路網の整備は進み、沖縄本島北部東海岸を縦断し本島を一周する道路(国道331号・沖縄県道70号国頭東線・一部の国道58号)も1980年代初めまでには全面舗装され、現在は沖縄のドライブ&ツーリングコースにもなっている。しかし西海岸とを横断する道路が少なく、長らく国道329号の1本のみだったが、2008年に沖縄県道18号線が全線(東江〜大浦)開通し、大浦や大川だけでなく市役所の支所(かつての村役所)がある瀬嵩や近くの集落からも市街地へのアクセスが大幅に良くなった。それでも嘉陽や天仁屋などの集落は直接西海岸に通じる道路が林道しかなく、舗装はされているものの道幅が狭く、しかも山があるため頂上に林道が通じているため、山越えしなければならず生活道路としては向いていない。またそこらの集落と西海岸(おもに羽地方面)とを結ぶ横断道路の計画は多野岳や名護岳の山に隔てているため今のところ計画はない(県道18号線から名護市道羽地大川線や羽地ダム経由で羽地方面に向かうのは可能)。そのため大浦から沖縄県道18号線または二見まで出て国道329号で向かうか、さらに東村有銘へ行き沖縄県道14号線で源河に出る方法があるが、所要時間も少なくとも30分以上くらいはかかることになる。 主な産業は農業だが、漁港のある辺野古では漁業も行われている。1990年代以降はリゾート開発もするようになり、1ヶ所はすぐに倒産したものの、ゴルフ場も併設したカヌチャベイリゾートは長期滞在型リゾートとして県内外から人気を集めている。そこにはプロ野球横浜ベイスターズや米大リーグシアトル・マリナーズで活躍した佐々木主浩プロデュースのフィットネスクラブがあり、現役時代には自主トレでここを必ず訪れていた。また、佐々木のグッズも販売されている。 戦後接収されたアメリカ軍基地は現在でもキャンプ・シュワブをはじめ、市内のほとんどが辺野古を中心に旧村内に集中している。1996年に宜野湾市にある普天間飛行場を返還し、移設先をキャンプ・シュワブ沖に移設するという計画が決定した。しかし建設方法や周辺住民の反発、そして沿岸にサンゴ礁やジュゴンが生息するなどの環境問題などで未だに建設されていない。その移設計画とともに北部振興策の一環として基地のある辺野古など久辺三区にさまざまな施設が建設された。1999年に名護市マルチメディア館、2001年には国際海洋環境情報センターがそれぞれ豊原に完成、そして2004年には沖縄初の高等専門学校となる沖縄工業高等専門学校が辺野古に開校した。基地の移設計画とともに大きく変貌を遂げている。その反面、あまり恩恵を受けていない二見以北との格差が広がってきている。
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