現在の同人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/04 00:25 UTC 版)
「同人サークル」も参照 当初は、「同人」と言えば文芸同人を指し、それと区別するためコミックマーケットではSFファンの用いる「ファンジン(英語版)(fanzine、fan+magazine)」を借用して「まんがファンジン」と表現していた。しかし1990年代以降、主にコミケットなどの同人誌即売会や同人ショップなどで、自分で描いた漫画・アニメ・コンピュータゲームに関する作品(パロディ作品やイラスト集が多い)やグッズなどを公開・配布・販売する人たちのことを、「同人」と呼ぶことが目立つようになった。 現在のネット上で「同人」「同人的表現」と称されているのも、文芸にかかわるものではなく、こちらを意味することがほとんどである。ただし、文芸同人にかかわる者や、全く同人にかかわらない者に対しては、意味が通じないケースが多いので注意が必要である。これは、漫画・アニメ・コンピュータゲーム系同人では、「同人」「同人的表現」を、外部の介入を避ける意味合いで使う傾向があるからである(ただし、FAQ的な用語解説ウェブサイトは充実している)。しかし、そうした態度が同人への誤解(及び、文芸同人との齟齬)を招いているとの指摘もある。 1990年代以降、パソコンと家庭用プリンタが普及することで、誰でも気軽にDTPができるようになり、さらに印刷が安価になった。その結果漫画・アニメ・ゲーム系同人誌即売会が頻繁に行われ、発行主体を「同人サークル」、頒布物を「同人誌」と呼ぶ習慣こそ維持しているが、一個人単位での活動がもはや主流となりつつある。 今までは文芸同人と漫画同人の両者の活動が関係することはまず無かったが、2000年代からは文芸同人雑誌専門の即売会「かわさき文芸ジャンボリー ぶんぶん!」「文学フリマ」「本の杜」」「福岡ポエイチ」「資料性博覧会」「Text-Revolutions(テキレボ)」などが開催されるようになり、「COMITIA」「そうさく畑」など、創作同人誌即売会でも文章・文芸同人の参加が増えていった。「文学フリマ」はライトノベルや漫画同人との繋がりの強い大塚英志による発起であり、類似の即売会も増え始めたなど、わずかに影響が見られる(しかし、大塚は旧来の文芸同人と繋がりの濃い、純文学作家からは強い非難を受けている)。
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