現代における実践者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 06:51 UTC 版)
「インフォグラフィック」の記事における「現代における実践者」の解説
統計学者エドワード・タフティは、インフォグラフィックに関する有名な本をいくつか書いている。また、定期的に講義やワークショップも行っている。彼は多次元の情報を2次元の図にするプロセスを 'escaping flatland' と称する(2次元世界を描いたビクトリア朝時代の小説 Flatland に因んでいる)。 グラフィックデザイナー Peter Sullivan はイギリスの週刊紙 The Sunday Times で1970年代から90年代にかけて活躍し、新聞で図を多用するようになる一因を作った。彼はまたインフォグラフィックについて記事も書いた。1982年に創刊されたUSAトゥディは、図や絵を多用して情報を分かりやすくするという編集方針を確立していた。同紙については、ニュースを簡略化しすぎ、インフォグラフィックも内容やデータの正確性よりもエンターテインメント性が強調されすぎているという批判を受けることがある。これを "Chartjunk" などと呼ぶこともある。そのような批判も当たっているが、インフォグラフィックの確立に果たした役割も無視できない。 また、別のグラフィックデザイナー Nigel Holmes は "explanation graphics" と名づけた手法を確立した。彼の作品は情報だけでなく知識(ノウハウ)を視覚化するものである。16年間、タイム誌にグラフィックを提供しており、このテーマの本をいくつか出版している。 インフォグラフィックと密接に関連する分野として情報デザインがある。実際、インフォグラフィック作成方法は情報デザインの範疇にある。TEDの創設者リチャード・ソール・ワーマンは「情報アーキテクト(information architect)」という用語を生み出し、Information Anxiety などの著書で情報デザインの考え方を一般に広め、それを単なる概念から具体的な職業へと変えていく役目を果たした。 インフォグラフィックは本来、紙上の技法だったが、2000年ごろまでに Adobe Flash ベースのウェブ上のアニメーションにインフォグラフィックの技法が適用されるようになった。 テレビでの利用は比較的最近である。例えば2002年、ノルウェー人ミュージシャン ロイクソップ の曲"Remind Me"のミュージックビデオでは、インフォグラフィックのアニメーションがほぼ全編を占めている。2004年、フランスのエネルギー企業アレヴァのテレビCMでも同様のインフォグラフィックのアニメーションが使われた。これらの分かりやすさにより、視覚言語を使って複雑な情報を効果的に記述することの価値が企業にも認知されるようになった。また、日本のテレビアニメ『妹さえいればいい。』では、登場人物がボードゲームやTRPGなどで遊ぶ場面で用いられた。
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