現代における存在意義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 23:53 UTC 版)
「CapsLockキー」の記事における「現代における存在意義」の解説
CapsLockキーは、度々その位置や存在意義に疑問が持たれている。 1878年1月発売のレミントンNo.2タイプライターは、「Upper Case」キーで大文字に切り替え、「Lower Case」キーで小文字に切り替えるタイプライターだった。この「Upper Case」キーがCapsLockキーの原型だとされる。「Lower Case」キーが無くなりシフトキーに代わってからも、タイトルやトップページ等の大文字が長く続く部分をタイピスト(タイプライターを打つ専門の職業)が入力する際に、手動でシフトキーを押し続ける労力を省くためCapsLockキーとして継続した(タイプライターのキーは打鍵が直接印字となるため、コンピュータのそれと比べればピアノのように重いキーであった)。しかし近年はスモールキャピタルを用いたり、章のヘッダーを一度しか入力しないなど近代的な組版方式の増加により(またキーボードの荷重が非常に軽くなったこともあり)、CapsLockキーの存在価値は下がっている。 英語圏では、インターネット上、特にチャットやユーズネット等での大文字小文字の区別はあまり重要視されず、大声で叫んだり喚いたりといったことを表現したい時に大文字が使われる(オールキャップスを参照)。より実用的な観点から言えば、大文字の連続は可読性が悪いということもある。大文字を極端に使いすぎるユーザは「CapsLockを解除すべきでしょう」と言われるかもしれない。また、文章の見栄えを考慮しない初心者ではないかと疑われてしまうことにもなる。 ケースセンシティビティ(大文字と小文字を別物として区別すること)が重要な場面で、問題の原因となることもある。ユーザネームとパスワードの入力、といった場面でユーザネームは通常通りのエコーバックがあるが、パスワードは伏せられる場合が多く確認できないため、CapsLockキーがオンになっていないかどうか確認して下さいといった意味の警告がユーザに発せられるようにされていることがある。また、FAQページや説明書までにもこのようなマイナーかつ簡単に解決出来る問題を載せている場合がある。 しかし、一方でFORTRANのような古いプログラミング言語や、MS-DOSのコマンド名などは大文字が正規であり、ケースセンシティビティに気を払うべきだというならそれらへの入力は大文字であるべきである。そういった時にはCapsLockキーは無用どころか事実上必需品となる。 2006年に、Foundation for a Free Information Infrastructureの会長ピーター・ヒンチェンス(英語版)は、スタンダードキーボードからCapsLockキーを撲滅するためのキャンペーンを開始した。一部のメーカーはCapsLockキーの無いキーボードを販売しているが、依然として大多数のキーボード上にはCapsLockキーが存在し続けている。また、Colemak配列などの、CapsLockキーが存在せず、その位置にバックスペースが割り振られている配列も考案されている。 反論としては、指に障害があるなどハンディがあるユーザーには、複数のキーを同時に押すこと(コンビネーションキー)は手間がかかる場合があり、特に通常の文字入力時には最小限にしたいが、CapsLockキーをON/OFFにすることで、Shiftキーを併用せずに大文字/小文字が入力できる。
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