現代における呼びかけ方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 02:03 UTC 版)
「~さん」にあたる中国語は「先生」(男性)、「小姐」(若い女性。ただし、現在の中国ではセックスワーカーを指す言葉なので、使用は避けるべき)、「女士」または「太太」(既婚女性)で、これを姓(名)の後に付ける。親しくなったら姓の前に「小」(同い年か年下)や「老」(年上)をつけて呼ぶ。ただし、「欧陽」などの複姓には「小」「老」を付けず呼び捨てにする。単姓の場合は呼び捨てにできない。呼び捨てにしたい場合は、姓と名を併せて呼ぶ。 中国の漢民族の姓は約 1000 ~ 2000 種(台湾とシンガポールは約 400 種と言われる)で、人口の割には非常に少ない。そのため、上記の「小(老)+姓」ではとても間に合わないため、最近は名で呼ぶことが多い。 漢民族で名が一字の場合、それだけで呼んでいいのはよほど親しい場合(恋人、家族、親友)に限られ、普通は愛称の「小」(北方方言の場合)「阿」(南方方言の場合)を前に付けるか、2回繰り返しで呼ぶ(たとえばチェン・ミンなら「ミンミン」)か、フルネームで呼ぶ。むしろ家族でさえも一字だけでは落ち着かないため二字にして呼ぶくらいである。ただし、香港やシンガポールでは一字で呼ぶことが許される範囲が比較的広い。 中国では改革開放以前は、中国人同士で「先生」「小姐」「女士」ではなく「同志」をつけて呼ぶのが一般的であったが、現在は相手が政府役人や中国共産党関係者でなければ嫌がられる。 北朝鮮では「トンジ、동지(同志)」(目上の人に対して)のほか、同等または下位階級の者に対しては「トンム、동무(同務)」という敬称をつける。 韓国では年の近い相手にはフルネームまたは名に「氏」をつけて呼ぶのが一般的である。「金氏」のように「姓+氏」というのも新聞などでは用いられるが、これで相手を呼ぶのは失礼である。ただし、外国人に対しては「姓+氏」で呼んでもよい。ある程度年上の相手に対して、または姓だけで呼びたい場合は「姓+ソンセンニム(朝鮮語: 선생님、漢字で「先生」に"様"を表す敬称님をつけたもの」で呼ぶ。若者の間では、「JJ」のようにイニシャルで呼び合うこともある 中国では兄姉に対して呼び捨てにすることもよくあるが、朝鮮半島では、兄姉に対しての呼び捨ては受け入れられない。一方、中国で特に2人兄弟の場合、弟、妹に対して「弟弟」、「妹妹」と呼ぶこともある。 ベトナムでは、呼びかけの際には名に個人の特徴を付加したニックネーム(「色白のフェン」など)で呼ばれる。姓+敬称で呼ぶのは、建国の父ホー・チ・ミン(胡志明)を「ホーおじさん(胡翁)」と呼ぶなどのきわめて例外的な高い敬意を表すときに限られる。 漢姓漢名の社会では結婚後も出身一族の姓を持つため、夫婦別姓である。既婚女性は英語では姓の前に Mrs. ではなく Madame を付けて呼ばれることを好む。
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