現代における展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/13 02:13 UTC 版)
もう少し時代が下ると、銀河面吸収帯による知識のギャップを埋めようと、多数のプロジェクトが試みられた。銀河面のダストとガスは光学波長領域の減衰を引き起こし、前景の星は背景の銀河と混同される可能性がある。しかし減衰は、さらに長い赤外線のような波長では低下し、電波の波長では、実質的に銀河面は透明である。IRASや2MASSなどの赤外線サーベイは、今までより完全な銀河系外の星野の画像を与えた。実際、2つの非常に大きな近傍の銀河、Maffei 1とMaffei 2が1968年にパオロ・マフェイにより、その赤外領域の輝線スペクトルにより発見されている。ではあるが、星野の約10%は、銀河面の恒星と混同されやすいので、いまだに銀河系外の天体のサーベイが困難な領域として残されている。 銀河面吸収帯の電波波長でのサーベイ・プロジェクト、特に中性水素原子の21 cmスピン反転(spin-flip)輝線 (天文学の用語では「水素線」)を使うものは、赤外線では探知できなかった多数の銀河の探知に成功している。水素線により探知された銀河の例としては、Dwingeloo Galaxy 1とDwingeloo Galaxy 2がある。 2016年には、西オーストラリア大学などによる国際研究チームの観測で、銀河面吸収帯の方向に約2億5000万光年離れた銀河を880個以上観測することに成功し、そのうち約3分の1はこの観測で初めて発見されたものだった。
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