狩りと食生活
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 16:38 UTC 版)
ボブキャットは長い期間食べなくても生活することが出来るが、獲物が豊富な時期は大量に捕食する。獲物の捕獲が難しい時期は自分が獲れる大きめの動物を獲り、後で食べるなどする。ボブキャットは獲物を追跡し、待ち伏せをしてから瞬間的に襲う。約1.5 - 12.5ポンド(0.7 - 5.7キロ)位の哺乳類を好み、獲物の対象は地域によって異なる。アメリカ東部ではワタオウサギ、北部ではカンジキウサギである。ニューイングランド地方ではこの両方が共存しているため、両方ともボブキャットの主な獲物となっている。決まったものしか食べないカナダオオヤマネコと違い、ボブキャットは日和見性で獲れる獲物の種類が多い。こうした獲物の種類の多様さは、主たる獲物となる動物の生息密度に大きく依存している。すなわち、主たる獲物が乏しい地域ほど、獲物の種類もより多様となる。 ボブキャットは色々な大きさの獲物を獲ることが出来、手法も動物によって変化させることができる。ネズミ、リス、鳥、魚、虫などの小動物の場合は、それらが多く住み着いていると思われる場所へ行き、寝そべるかしゃがむか立って獲物が近づいてくるのを待つ。その後鋭い伸縮自在の爪で獲物を捕まえるようにして襲う。ウサギなどの大きめの動物は後ろから隠れながら追跡し、20 - 35フィート(6 - 10メートル)の距離に近づくのを待ってから襲いに行く。更に大きいキツネ、ミンク、スカンク、小型犬、家猫などを襲うことは滅多にない。また、ボブキャットは時に家畜や鶏を襲うことでも知られる。牛や馬などの大きい動物を襲うことは知られていないが、羊やヤギなどの反芻動物を襲う危険性がある。National Agricultural Statistics Serviceによると、ボブキャットは2004年に11,100頭の羊を殺し、羊の捕食死の4.9%を占めた。しかしボブキャットは他の動物によって殺された家畜の食べ残しをあさることでも知られているため、一部の捕食は正確なデータではない。 また、ボブキャットは小動物が減る冬や鹿の頭数が増える冬に鹿狩りをすることも知られている。エバーグレーズの調査によると、殆どの捕食(39のうち33)が小鹿であったが、ボブキャットの8倍の体重のものまでが捕食に成功したことが分かっている。多くの場合、シカが寝ている時に後ろから追跡し、襲うときには首を掴んでから喉・頭蓋骨の付け根・胸部を噛む。稀ではあるが、ボブキャットがシカを捕食する時には一旦満腹になるまで食べた後、食べ残しを雪や葉の下に隠し、後に何度も戻ってきて食べることがある。 ボブキャットの生息地には、コヨーテ、アカギツネなどの似た生態的地位を占める中型の捕食者も生息しているが、メイン州における調査では相互の縄張りの重複はランダムであり、競合している証拠は見つからなかった。しかしカナダオオヤマネコに限っては種間競争が生息域に影響しており、ボブキャットの存在がカナダオオヤマネコの南下を防いでいると考えられている。
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