犯罪・問題行為
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 06:18 UTC 版)
暴力団が救援活動に当たっていた一方で、震災に乗じて災害援護資金を不正に受けたり、建設会社に対し工事の受注を要求したりするなどの触法行為を犯していたことも事実である。警察は暴力団のこういった問題行為を見越して、移動暴力相談車を利用した「巡回暴力相談所」を開設するなどの臨時対策を採っていた。また、暴力団関係者による手抜き工事も存在もしたという。 「性犯罪が増加した」という情報も流れたが、それをデマだとする動きがあった。確かに兵庫県内の強姦の事件数自体は前年と変わらず、逆に強制わいせつ事件は減少していた。また、窃盗・強盗の件数も同様に減っていた。ただ、性犯罪は申告すること自体がはばかられ、申告したとしても「なぜ自衛しなかったのか」「我慢すればよい」などの被害を軽視するに等しい二次加害にあいやすく、被害者は口を閉ざしてしまう傾向が強い。そのため、事件数だけでは一概に語れない部分も大きい。また、避難所での強姦、痴漢、覗き等の大なり小なりの性犯罪情報は表沙汰にこそされていないものの、実際に多数寄せられている。また、震災発生直後の1月19日前後および1か月半後の2月26日、関西で京都府亀岡市の亀岡断層を震源地とする震度7の余震が起こるとのデマが流布し、2度目については亀岡市周辺の企業で、臨時休業や食品スーパーで商品の買い占めが発生するなど混乱が見られた。 2003年には、大学生らが「希望の灯」のガラスケースを壊す事件があった。また2013年1月17日開催の慰霊行事でライトアップする目的で灘区の六甲道南公園の慰霊碑に設置された照明器具が破壊されたと兵庫県警に届けられ、器物損壊事件として扱われた。2017年12月22日には、東遊園地にある震災犠牲者の氏名などを刻んだ「慰霊と復興のモニュメント」に落書きがされているのが見つかった。六甲山の山頂付近にて同震災と東日本大震災の犠牲者の鎮魂のための兵庫県勤労者山岳連盟が設置した木柱に、黒ペンキがかけられているのが2017年6月に見つかった。さらに、そのモニュメントが、2019年に盗難に遭っているのが発見された。 震災で被災した地蔵などを盗み、質店に持ち込み換金していた人物が、兵庫県警から窃盗容疑で書類送検されている。 問題発言としては、井戸敏三兵庫県知事が2008年(平成20年)11月11日に行われた近畿ブロックの知事会議において「東京一極集中を打破するための旗を揚げなければならない。関東で震災が起きれば東京は相当なダメージを受ける。これはチャンスですね」と発言したものがある。当初は謝罪を渋ったものの、猛抗議を受けた後謝罪した。
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