演義における紀霊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 08:49 UTC 版)
小説『三国志演義』では、山東出身との設定で、重さ50斤(約11キロ)におよぶ三尖刀の使い手として登場する。劉備軍との攻防では、関羽との一騎討ちで30合余り打ち合う。しかし紀霊は休憩を提案し、後に再戦を求める関羽の申し出を拒絶している。代わりに副将の荀正が飛び出すが、1合で関羽に討ち取られてしまう。その結果、紀霊軍は進軍停止を余儀なくされ、劉備軍も戦力の不足から積極的な攻勢に出る事が出来ず、戦線は膠着状態になる。その後、呂布の反乱に合わせた袁術の謀略により、高順と共に劉備の挟撃を図るも失敗し、劉備に逃亡を許すこととなる。劉備は講和した呂布の下に逃げ延びている。 劉備が呂布によって小沛に追いやられた時に、再び袁術の命令で劉備を攻撃するが、正史と同様呂布の仲裁により撤退している。激怒する袁術に、袁術の息子と呂布の娘の縁談を献策。呂布軍の陳宮の思惑とも合致するが、この縁談は曹操や劉備方に密通する陳珪の策により頓挫する。その後、袁術の徐州親征時には遊軍を率いて参加するが、裏切った楊奉・韓暹に撃破されてしまう。 やがて袁術が帝を僭称し、敗戦と暴政のため人心を失い孤立すると、多くの配下は袁術を見限る中で、最後まで袁術に従っている。しかし、袁術が領土を捨て袁紹の下へ落ち延びる途中、曹操から追討を命じられた劉備軍と戦い、張飛との一騎討ちで10合余り渡り合った後に討ち取られてしまっている。前半あれだけの強者として描かれているが、後半は完全に張飛の武勇を引き立てる役にまわされている。
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