沢田メモとは? わかりやすく解説

沢田メモ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 15:15 UTC 版)

土佐のほっぱん」の記事における「沢田メモ」の解説

沢田メモ書きには、1919年大正8年)から1948年昭和23年)までの約30年間に、伊田地区発生した10例の「ほっぱん」の記録記されており、それぞれ発症もしくは死亡した年月発症者の年齢性別病気経過などが書かれていた。沢田メモに書かれ事例年代順に並べると以下の通りである。 1919年大正8年8月 11歳・女 回復 1920年大正9年8月 26歳・女 死亡 1919年大正8年8月 17-18歳・男 回復半年ほど床に伏す1925年大正14年8月 40歳・男 死亡 当時幡多病院ママ〕の橋本博士がこれを見てツツガムシ病」らしいと言ったが、橋本博士はすぐに札幌転任1927年昭和2年8月21日 56歳・女 死亡 1928年昭和3年8月 70歳・女 死亡 検診した丹治医師は「ツツガムシ病ではないかと言ったという。この後1932年昭和7年)に海岸沿いの伐採してから一時発症者が減った1942年昭和17年7月-8月 (不明)・女 死亡 (不明)・女 死亡 25歳・女 回復 以上3名は地区内を流れ伊田川下流堤防工事携わっていた。 1948年昭和23年7月 10歳・女 回復1ヶ月ほど床に伏すメモ書かれていたのはこの10例であるが、これ以外にも複数発症事例があったという。発症総数少なとはいえ半数以上が死亡しており、助かった者も高熱1か月ほど続いて生死の境さまよい回復するのに半年かかるケースもある。いずれも7月から8月夏季発症している。沢田発症者が出るとその都度見舞い訪れ、その症状つぶさに観察し、「ほっぱん」には共通する症状があるのを何度も見てきたといい、次のうな重要な話を佐々たちに語った共通するのは、いずれも急に寒気襲われ高熱はじまり、1週間ほどすると全身に赤い発疹現れる。この発疹が赤い色をしているうちはいいが、内出血して紫色になると大抵は助からない。そして体のどこか1か所に小豆ほどの大きさかさぶたができているが、あまり痛みがないらしく、本人気づかない場合が多い。高熱出て2、3週間もすると意識朦朧とし、死への恐怖からうわ言口走るようになり意識不明となって死亡する助かった者は、かさぶたが塞がった痕が残る。 かさぶた、塞がった痕と聞いた佐々たちは、ツツガムシ病特有の所見間違いなさそうだと確信した詳細は「ツツガムシ」および「ツツガムシ病」を参照 ダニ一種であるツツガムシ恙虫)の幼虫は、その生涯一度だけヒトなどの哺乳類皮膚吸着して組織液を吸う習性を持つ。この幼虫0.1〜3%の個体ツツガムシ病リケッチア保菌しており、これに吸着されることでツツガムシ病感染するツツガムシ病大きな特徴は、この吸着時に刺され刺し口(esher)と呼ばれる痕跡が残ることである。 医学学んだ経験が無いのにもかかわらず30年近くにおよぶこれらの記録や、症状経過特徴的確に捉えていた古老観察眼に、佐々は非常に感心したという。

※この「沢田メモ」の解説は、「土佐のほっぱん」の解説の一部です。
「沢田メモ」を含む「土佐のほっぱん」の記事については、「土佐のほっぱん」の概要を参照ください。

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