歴史と文化的側面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/18 22:55 UTC 版)
ディスコ時代及びその以前から、向精神薬の使用をテーマとするドラッグ・カルチャーは、都市部のゲイ・コミュニティ内に長く存在しており、ダンス、社交、お祝いなどの場で使用された。1990年代以降、出会い系サイトとアプリの登場により、セックスの相手を探すことが手軽になり、家で乱交パーティーを催すことも可能となってきた。更に、2000年代初頭から、バー、クラブ、ダンスホールなどのゲイの出会いの場所は激減した。その原因は様々で、ジェントリフィケーション、ゾーニング法、経営ライセンスの制限、クローゼットのゲイあるいは性的指向が不安定な男性の増加、性的および社会的な欲求に対応するデジタル技術の向上などが挙げられる。こういった環境のうち、乱交パーティーは夜の社交の場として登場したと見られる。 乱交パーティーは確かに性行為を中心に組織されるものであるが、他のゲイに会ったり、親しくなったり、エロいプレイや実験に参加したりする機会など、参加者にさまざまな社会的な目的を果たせる側面もある。一部のケースにおいて、パーティーは参加者によって評価されるため、ルーズだが信頼性のあるソーシャルネットワークの形成にも関与する。一方、セックスの相手を見つけるために出会い系サイト・アプリの利用を増やすと、孤独感だけが増大し、薬物に接触すると薬物依存のリスクが生じる、もしくは悪化する可能性があり、特にゲイ同士の交流やゲイ・コミュニティの活動にほとんど参加しない人はその傾向が顕著である。 2014年のある研究によると、セックスの前後に薬物を服用する主な理由は、社会からの内発的な同性愛嫌悪の感情、HIVの感染・検出に対する懸念、または同性同士とのセックスに対する罪悪感を和らげ、性的な自信を高めることである。研究の被調査者にとって、自信につながる重要なポイントは「体のイメージ」である。SNSや出会い系アプリでは引き締まった筋肉質の体が理想的な男性像とされるため、これらのアプリをよく利用するゲイの人は多かれ少なかれ自分の外見に対してコンプレックスや不安を抱いている。また、多くの男性は自分の性的パフォーマンスにも不安を抱いているため、薬物を服用することによりこれらのコンプレックスや不安が一時的になくなり、セックスをより楽しむことができる。
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