歴史と文化的意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 07:31 UTC 版)
中国の道教では重要な位置を占めていた。道教では体液は非常に重要な液体であり、よってその喪失は生命力の衰弱を引き起こし、逆に、それを飲むことでこの生命力(気)を回復することができると考えられていた。 「 「3つの山頂の偉大な薬」が女の体に見出され、それは次の3つの汁、もしくは精からなる――1つは女の口から、もう1つは胸から、そして3つ目の、最も強力なものは「緋色の茸の頂」(恥丘)にある「白虎の洞窟」からのものである。 」 —オクタビオ・パス『conjunctions and disjunctions』 フィリップ・ローソンによれば、この半分詩的、半分医学的な暗喩は中国人の間でのクンニリングスの人気を説明するものであるという――「この営みは女性の貴重な液体を飲む優れた方法であった。」 中国学者のクリストファー・シペールにとっては、「閨房術」に関する道教のテクストは「ある種の改良された吸血鬼行為」を記述しているのだという。しかしながら、理念的には、道教においては、この営みによって利益を得るのは男だけではなく、女もまた液体の交換によって恩恵を受けるという。 西洋では、ローマ帝国においては、クンニリングスは男性が女性に服従するものと見做されて軽蔑されていた。この道徳的な非難の証拠として、ガイウス・スエトニウス・トランクィッルスが、ティベリウスへと帰している数々の性的な破廉恥行為の目録の中でクンニリングスもティベリウスのせいにしていることが挙げられる。 聖書の雅歌7:3(ジェイムズ王訳では7:2)にはクンニリングスへの遠回しな言及が含まれているとも考えられるが、多くの翻訳者は鍵となる単語を「臍」と訳している。トレンパー・ロングマンは「女性の孔に葡萄酒が湛えられているという描写は、肉欲的な器から飲みたいという男性の欲望を暗示している。よって、これは情交への微妙かつ味わい深い仄めかしなのかもしれない」という解釈を示している。別の翻訳では次のようにも読める――「君のおまんこはまあるいコップ、カクテルの切れたことがない」 サンダルから始まって"vulva"(ヘブライ語のshor――アラム語の「秘密の場所」という語から派生している)、腹、胸へと上がってゆくという文脈は、この語の意味をほぼ決定づけるものである。キリスト教とユダヤ教の諸伝統の多くでは、『雅歌』に描かれた花婿と花嫁のエロティックな親密さに霊的な意味付けを与えている。
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