欧米の儀礼研究の立場からみた儀礼(英語版からの翻訳)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/07 01:30 UTC 版)
「儀礼」の記事における「欧米の儀礼研究の立場からみた儀礼(英語版からの翻訳)」の解説
本項の今後の編集の参考とするため、英語版ウィキペディアの “ritual” の項(2016年8月閲覧)を和訳して以下に掲載する。この記述は事実上キャサリン・ベル『儀礼学概論』( Ritual – Perspectives and Dimensions )の一部を骨子として略述し、そこに若干の情報を追加したものである。(以下翻訳) メリアム=ウェブスターの辞書によれば、儀礼とは「身ぶり、言葉、物の操作などを含んだ一連の活動で、特別に隔離された場所において行われ、規定された順序で行われるもの」とされている。儀礼は特定の伝統や共同体ごとに規定されている場合が多く、典型的なものとして挙げられるのは宗教共同体において規定されたものである。儀礼を特徴づける要素は、「形式主義」、「伝統主義」、「不変性」、「規則統御性」、「聖なる象徴」、「パフォーマンス」などといったものである。 儀礼をもたない社会というものは現在のところ知られていない。通常儀礼と見なされているのは組織化された宗教の「崇拝」や「秘蹟」といった儀礼だけではなく、「通過儀礼」、「贖罪」、「浄化」、「忠誠の誓い」、「奉納式」、「戴冠式」、「大統領就任式」、「結婚式」、「葬儀」などといったものもあり、また儀礼の学術的研究の立場からは「新入生歓迎会」、「卒業式」、「クラブの集会」、「スポーツイベント」、「ハロウィーンパーティー」、「退役軍人パレード」、「クリスマス商戦」などといったものも儀礼と見なされている。また、「陪審審理」、「死刑執行」、「学術的シンポジウム」といった具体的な目的をともなって催行される活動にも各種の伝統や規定に由来する象徴的行為が多く含まれており、部分的に儀礼的な性質をふくむものと考えられている。さらに、「握手」、「あいさつ」といった日常的な行為も儀礼として考察され得るものである。 儀礼研究においては、「儀礼」という語に関して複数の対立する定義が提案されている。キュリアキディスによる定義では、儀礼とはある活動もしくは行為のセットについての外部的な視点から見た(etic)カテゴリーであり、局外者には不合理で一貫的でなく非論理的に見えるものである。この語はまた内部的な視点から(emic)パフォーマー自身によって使われることもあり、この場合、「該当の活動はイニシエーションを受けていない傍観者からは不合理・非一貫的・非論理的なものに見えるかもしれない」ということを意味している。 心理学では、「儀礼」という語は人間が不安を中和したり防止したりするために組織だったしかたで行う反復的行動を意味する用語として使われる場合もある。これは強迫性障害の症状である。
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