欧米の作品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/21 08:29 UTC 版)
戦艦登場前の装甲艦時代に書かれた『エジソンの火星征服』等SF黎明期の宇宙戦闘艦に続く、SFの勃興期に登場した最初期の宇宙戦艦は、1920年代からアメリカにおいて登場したスペースオペラ作品中で活躍するものである。『レンズマン』シリーズのドーントレス号などが代表的なものにあげられる。映像の分野では、やはりアメリカにおいて1966年から放映された『宇宙大作戦』(スタートレックシリーズ)に登場するUSSエンタープライズ、あるいは映画の『スター・ウォーズ』に登場する宇宙戦艦など、地球上における「戦艦」というイメージからは程遠い物となっている(エンタープライズはじめ宇宙艦隊の船のほとんどは、分類上は深宇宙探査船であり戦艦ではない。ただし防衛も任務の一つであるため、戦艦クラスの武装がなされている)。SFの勃興期である20世紀初頭において、現実世界では戦艦は現役かつ最強の兵器だった。その後戦艦という艦種が消滅するという事は想像の範囲外であって、遥か未来の宇宙を航行する武装した大型宇宙船に「宇宙戦艦」の名前を与える事は、極めて自然な事であった。一方で未来世界・宇宙空間の兵器のデザイン等に現在の地球上の兵器のイメージを反映させる必要は無かった。よって欧米のSFにおける宇宙戦艦が、現実の戦艦とは似ても似つかぬものになるのは当然だった。また、現実の宇宙船は高高度航空機に準じる存在であり、それをふまえた考証面からも欧米SF、特に映像作品の宇宙戦艦(というより宇宙船全般)の描写は、水上船舶というより大型航空機に近い物が多く、戦闘シーンも空中でのドッグファイトに近い。 ただし、原語では単にwar ship(軍艦)、military ship(軍用艦)、armed ship(武装船)あるいはcruiser(巡洋艦・巡航艦)などと呼ばれていたり、現代の分類とは異なる独自の艦級が設定されている場合でも、邦訳の過程で"宇宙戦艦"にされてしまう場合もあるため注意が必要。
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