柳田國男による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/13 05:10 UTC 版)
「民俗資料の分類」の記事における「柳田國男による分類」の解説
柳田國男は、1933年の講演で、民俗資料を 慣習(生活技術) 口碑(言語芸術) 感情・観念・信仰 に分けている。また、『民間伝承論』(1934年)では、 目に映ずる資料<体碑>…たとえば研究者が旅行の途中でも観ようとすれば可能な、形をとった事物行為伝承 耳に聞こえる言語資料<口碑>…多少とも地元の言葉に通じて、耳を働かさなければつかみ得ない口頭伝承 心意感覚に訴えてはじめて理解できる資料<心碑>…旅人ではつかむことの不可能な、同郷人、同国人の感覚によらなければ理解できない類の心意伝承 という三分法の類別を提示しており、さらにこれを、1.有形文化・生活技術誌―旅人の学、2.言語芸術・口承文芸―寄寓者の学、3.生活解説・生活観念・生活の諸様式―同郷人の学、というふうに趣旨説明している。これはまた、資料蒐集の場面に即しての類別と捉えることもできる。 ついで『郷土生活の研究法』(1935年)では、 第一部、有形文化 (1)住居、(2)衣服、(3)食物、(4)交通、(5)労働、(6)村、(7)連合、(8)家、(9)親族、(10)婚姻、(11)誕生、(12)厄、(13)葬式、(14)年中行事、(15)神祭、(16)占法、(17)呪法、(18)舞踊、(19)競技、(20)童戯と玩具 第二部、言語芸術 (1)新語作製、(2)新文句、(3)諺、(4)謎、(5)唱えごと、(6)童言葉、(7)歌謡、(8)語り物と昔話と伝説 第三部、心意現象 (1)知識、(2)生活技術、(3)生活目的 として、三分類におけるそれぞれの内容を示している。
※この「柳田國男による分類」の解説は、「民俗資料の分類」の解説の一部です。
「柳田國男による分類」を含む「民俗資料の分類」の記事については、「民俗資料の分類」の概要を参照ください。
- 柳田國男による分類のページへのリンク