東半球における環太平洋火山帯最南端の場所(自然遺産)
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「トンガリロ国立公園」の記事における「東半球における環太平洋火山帯最南端の場所(自然遺産)」の解説
トンガリロ国立公園は、東半球における環太平洋火山帯の最南端に位置づけられる。トンガリロ国立公園を起点に北東方向に181年に大噴火を起こしたタウポ湖、1886年に大噴火を起こしたタラウェラ山、ベイ・オブ・プレンティ沖合いのホワイト島(英語版)までの火山群を総称した「タウポ火山帯」が伸びる。 トンガリロ国立公園内の3つの火山は、おおむね若い。トンガリロ国立公園内で最初に噴火したのは、トンガリロ山で約26万年前のことである。ナウルホエ山が最初に噴火したのは、約2,500年前のことであると考えられており、伝統的に、ナウルホエ山の噴火周期は9年周期と考えられている。もっとも、ナウルホエ山の最後の噴火は、1975年のことである。 トンガリロ国立公園の最高峰であるルアペフ山の最初の噴火は、トンガリロ山とほぼ同じ25万年前と考えられている。ルアペフ山の頂上にほぼ近いところに、酸性の火山湖が存在する。この火山湖は、深さ100メートル、直径600メートルある。水温の変化にしたがって、温度が上がるにつれ、緑や青から灰色へと変化する。ルアペフ山が噴火する際には、火山湖の水がラハール_(火山泥流)と化す。ラハールの発生は、ルアペフ山の噴火予知には欠くことができない。 1945年の噴火活動で形成された火山湖が、1953年のクリスマス・イブに決壊し、ニュージーランドにおける最大の鉄道事故であるタンギワイ鉄道事故(英語版)の原因ともなったし、それ以後も、1995年から96年、2007年にも噴火している。 1990年に世界遺産(自然遺産)に登録されるにあたり、ほかの火山との比較検討がされた。比較対象となったのは、スペインのティマンファヤ国立公園(英語版)、タンザニアのキリマンジャロ、エクアドルのサンガイ山(英語版)、アラスカ州のカトマイ山及びハワイ州の火山群である。その中においても、トンガリロ国立公園は、マオリ族との文化的紐帯が強いと言う点で、ほかの火山群には見られない特徴を有していたと国際自然保護連合(IUCN)は結論付けた。 トンガリロ国立公園が世界遺産(自然遺産)として、登録されたのは、以下の3点の特徴を有していた点にある。第1点が、火山活動が活発であり、「理想的な自然研究室」であったこと、第2点が、ルアペフ山の火山湖が頻繁な噴火によって形成されると同時に、氷河湖としての特徴をも有していたこと、第3点が186年のタウポ湖噴火を初めとして、1800年間の噴火の歴史の状態が良好であった点である。 1990年時点での適合基準は以下の通りである。 自然遺産7、8
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