木造大日如来及四波羅蜜菩薩坐像とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 文化 > 国指定文化財等データベース > 木造大日如来及四波羅蜜菩薩坐像の意味・解説 

木造大日如来及四波羅蜜菩薩坐像

主名称: 木造大日如来及四波羅蜜菩薩坐像
指定番号 3424
枝番 00
指定年月日 1991.06.21(平成3.06.21)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 彫刻
ト書
員数 5躯
時代区分 平安
年代
検索年代
解説文:  等身大大日如来像に、一廻り小さな四菩薩像を配する尊像である。
 大日如来像は智拳印を結ぶ通例金剛界大日如来像であるが、四菩薩像は胸前両手合わせて指を組むいわゆる外縛印【げばくいん】を結んで両手第三指を変化させており、三昧耶印【さまやいん】と呼ばれる特殊な印を結んでいる。これらの印は、『金剛一切如来真実大乗現証大教王経こんごうちよういつさいによらいしんじつだいじようげんしようだいきようおうきよう】(二巻)』(不空訳)、『金剛瑜伽中略念誦経【こんごうちようゆがちゆうりやくしゆつねんじゆきよう】』(同)や、『阿裟縛抄【あさばしよう】』などの経軌に触れられる阿〓【あしゆく】、宝生ほうしよう】、観自在王【かんじざいおう】(無量寿【むりようじゆ】)、不空成就ふくうじようじゆ】の四仏三昧耶印とほぼ一致する一方、これらの経軌には四波羅蜜菩薩三昧耶印が前記四仏の印と同じであることを説いている。また『五部心観ごぶしんかん】』、「金剛界大曼荼羅」章に描かれ四波羅蜜菩薩にあたる四尊の三昧耶印のうち、三尊については本四菩薩像の印とほぼ一致しており、本四菩薩像は四波羅蜜菩薩像として造像された可能性大きい。大日如来とそれに親近して侍坐する四親近【ししんごん菩薩である四波羅蜜菩薩との尊像構成そのものについては、金剛界曼荼羅の成身会【じようじんね】中輪にみられ、本五尊像はおそらくこれを典拠しながら通常密教修法用い三昧耶印をとらせたものではないか考えられよう。
 像は、いずれも用材とするが、大日如来像と両手第三指を接して竪てる金剛波羅蜜像は、頭躰幹部両耳後、両躰側を通る線で前後に矧合せた二材から彫出する寄木造りとする。他の三菩薩像はいずれも、頭躰幹部大略を一材から彫成し、いったん躰側で割り放して像をつくる割矧造【わりはぎづく】りからなるこのようにその構造には違いがあるが、いずれも切れ長の細い眼と小さな鼻、唇を相貌刻み脚部肉付け薄く衣文彫りも浅い。その作風平安時代和様彫刻末期的な傾向を示すもので、製作は十二世紀も末頃と推定される
 現状表面近代ベンガラ彩色覆われ尊容が損われているが、きわめて特殊な構成を示す類品稀有密教群像として甚だ注目される遺品である。
 なお、大日如来像の像内躰部左側に「願主金剛佛子勝阿」と判読できる墨書があるが、勝阿については不詳である。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「木造大日如来及四波羅蜜菩薩坐像」の関連用語

木造大日如来及四波羅蜜菩薩坐像のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



木造大日如来及四波羅蜜菩薩坐像のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2025 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS