月の内部構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 09:22 UTC 版)
詳細は「月の内部構造」を参照 現在の月の内部構造のモデルは、アポロ計画によって月面に残されてきた地震計のデータと月の重力場や自転の研究に依っている。 月の質量は、内部の空隙を除去するのに十分な大きさであり、そのため月の内部全体が固体で構成されていると考えられている。全密度の小ささ(~3346 kg/m3)は、金属量が小さいことを示している。また、質量と慣性モーメントの値は、月の核が半径約450km以下であることを示している。さらに月の秤動の研究からは、核はいまだに溶融している状態であることが示されている。ほとんどの惑星や衛星は、半径の半分程度の鉄の核を持つのに対し、月の核は半径のわずか4分の1に過ぎず、極端に小さい。 月の地殻は平均約50kmの厚さ(±15kmの不確実さがある)で、月の裏では月の表よりも15kmほど厚いと考えられている。地震計によって、アポロ12号とアポロ14号の着陸地点の地殻の厚さが計測され、アポロ時代の分析では地殻の厚さは60kmとされたが、同じデータの最近の分析では、より薄い30kmから45kmと推測されている。 地球の磁場と比べると、月の磁場は非常に弱い。その他の主な違いとして、月は現在は(核でのダイナモ理論によって生み出される)双極子磁場を持たず、現存する磁化は、ほとんど全てが地殻起源である点が挙げられる。地殻磁化は、ダイナモがまだ存在していた頃の月の歴史の初期に獲得されたとする説があるが、月の小さな核は、この説の障害となる可能性がある。代わりに、月のような大気を持たない天体では、衝突の過程で一時的な磁場が作り出されたとする提案もある。最大の地殻磁化が最大の衝突盆地のちょうど裏に当たる地点にあることは、この説を支持する。月は地球のような双極子磁場を持たないが、地球に持ち帰られた石の中には、強い磁化を示すものがある。さらに、月周回軌道からの測定では、月の表面の一部が磁場に強く寄与していることが示されている。
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