最悪のシナリオとは? わかりやすく解説

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最悪のシナリオ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 06:02 UTC 版)

福島第一原子力発電所事故」の記事における「最悪のシナリオ」の解説

政府事故調査・検証委員会福島第一原発吉田昌郎所長から聴取した内容通称「吉田調書」)によると、2号機注水停止しベントできない危機的な状況に陥っていた3月14日から15日にかけて、吉田所長は、このままでは格納容器破壊され核燃料全て出てしまう、原子炉圧力破壊起きると考えていたという。「放射性物質全部出てしまうわけですからわれわれのイメージ東日本壊滅ですよ」と語っている。このような恐怖感は同じ頃、総理官邸共有していた。例え枝野内閣官房長官は、福島第一から福島第二原発東海第二原発へと連鎖的事故が進むシナリオが頭の中にあったとのちに語っている。2号機格納容器破壊され放射性物質大量放出される最悪のシナリオが現実迫っていた。実際には、2号機圧力破壊には至らず格納容器配管繋ぎ目壊れたり隙間出来たりして、部分的に放射性物質漏れ出したではないかとみられる。なぜ2号機決定的に壊れなかったのかは、十分解明さていない菅直人総理大臣は、最悪場合何が起きるか具体的なイメージをつかむため、3月22日近藤駿介原子力委員長に「最悪シナリオ」の作成要請した3日後の25日、『福島第一原子力発電所不測事態シナリオ素描』と題する資料細野首相補佐官提出され菅総理報告された。この資料閲覧回収され存在自体秘密に伏されたが、2012年2月初めに内閣府情報開示公開された。この資料示されシナリオでは、1号機で再び水素爆発発生した場合放射線量上昇により作業員全面撤退余儀なくされ、他の号機への注水止まり4号機使用済み燃料プール燃料損傷発生使用済み燃料プールでコアコンクリート相互作用溶融燃料コンクリート相互作用、MCCI)が発生する。この場合4号機使用済み燃料プールからの放射性物質の放出量が最も多く避難規模大きく左右することになる。その結果チェルノブイリ事故適用され基準当てはめると、170 km圏で強制移住東京を含む250 km圏で避難求めることが必要になることが示されている。菅直人2013年11月8日ハフィントン・ポストにて、最悪場合東京始め首都圏を含む5000万人避難が必要となる可能性があったと述べた。 この4号機燃料プールは、事故収束宣言後2012年4月12日にも、冷却装置警報作動し温度上昇発生した水漏れ異物の混入などの可能性懸念されている。 共同通信配信産経ニュースほか国内多く報道機関米国ビジネスウィーク』などは、2012年2月21日発表されアメリカ合衆国原子力規制委員会NRC)の事故当初10日間の3200ページからなる自動録音電話会議記録文書について報じた3月16日NRC委員長グレゴリー・ヤツコは「最悪のシナリオはおそらく、3つの原子炉メルトダウンすること。格納容器壊れ放射性物質漏出起きそうだ漏れ規模予測するのは難しい」一方、「風が東京向かって吹いている場合東京にどう影響が及ぶのか」と懸念する出席者に「現時点米国民退避範囲は、50マイル(約80キロメートルでいこうと思うが、不確実であり、拡大する可能性はある」と答えた。これらのことはメルトダウン可能性認めようとしなかった日本政府リスク対す危機意識違いがあった。

※この「最悪のシナリオ」の解説は、「福島第一原子力発電所事故」の解説の一部です。
「最悪のシナリオ」を含む「福島第一原子力発電所事故」の記事については、「福島第一原子力発電所事故」の概要を参照ください。

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