更新修繕IIとモハ14形の低屋根化
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「国鉄32系電車」の記事における「更新修繕IIとモハ14形の低屋根化」の解説
戦中戦後の酷使により荒廃した設備を1949年から更新・修繕した本系列であったが、1951年に発生した桜木町事故の教訓を踏まえた2度目の更新修繕(更新修繕II)が1954年から施工された。更新修繕の内容は、施工年度によって少しずつ異なるが、共通の内容は次のとおりである。 ベンチレーターのガーランド型からグローブ型への交換 内装の木部の取り替え 前面運行番号表示窓(3桁)の取り付け(1954年施行車を除く) パンタグラフのPS13への交換(モハ14形) 貫通幌の両幌→片幌化と鉄製幌座の設置 天井板の軽合金化 室内灯の1列→2列化 モハ14形の更新修繕IIは、1954年に飯田線用、1955年、1956年には身延線用、1957年、1958年には再び飯田線用の車両に施行された。飯田線用の車両のうち、1954年施行のものは正面の雨樋が原形の直線のままとされて運行表示灯は設けられず、1957年、1958年施工のものは前面の雨樋が曲線に変更されて助士席側幕板部に運行番号表示窓が設置されるとともに、前面窓がすべてHゴム支持となった。身延線用の更新車は同線に存在する狭小建築限界トンネル通過の際の絶縁距離確保のため、屋根を車体全長に渡って300 mm下げた低屋根構造とされ、妻面の印象が大きく変わった。 この改造により、モハ14形は飯田線用の普通屋根車と身延線用の低屋根車の2種に形態が分かれたが、番号等による区分はこの時点では行われなかった。 モハ14形の更新修繕IIの施行状況は次のとおり。 1954年度(10両) - 14001, 14006, 14009, 14010, 14020, 14023, 14032, 14035, 14039, 14044 - 飯田線向け 1955年度(11両) - 14002 - 14004, 14021, 14027, 14030, 14034, 14038, 14040, 14041, 14043 - 身延線向け 1956年度(13両) - 14007, 14013 - 14017, 14019, 14024, 14025, 14028, 14036, 14037, 14042 - 身延線向け 1957年度(3両) - 14018, 14029, 14031 - 飯田線向け 1958年度(2両) - 14005, 14045 - 飯田線向け クハ47形(47023を除く)の更新修繕IIは、1957年度および1958年度に豊川分工場で実施され、その際に前面の雨樋が曲線に変更された。 サロ45形は、1953年12月から翌年3月にかけて大宮工場で更新修繕を施行して屋根上の通風器をガーランド形からグローブ形に変更し、1956年11月から翌年3月にかけて後位側に便所と洗面所を設ける改造を実施して、両側の側窓1個が埋め込まれて窓配置は2D2222222D1、定員は64名となった。また、座席の交換が実施され、クロスシートは両側に肘掛が設置された横幅1000 mmのものとなり、扉横部のロングシートは長さ1900 mmから1950 mmに拡大されている。
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