『日本架空説 』(にっぽんかくうせつ)は、シンガーソングライター さだまさし の2000年 9月21日 発表のソロ26枚目のオリジナル・アルバムである。
概要
さだのこよなく愛する日本の美しい情景を描いた作品で構成されている。タイトルは、そのような美しい日本は実は最初から存在しなかったのではないかという意味であり、1995年 の『さよなら にっぽん 』と同様に、日本の現状に対する憂いを逆説的に表現したものとなっている。
また、さだはこの年の6月22日 にロンドン のロイヤル・アルバート・ホール でコンサートを行っており、それに先立ってこのアルバムの一部のレコーディングをロンドンのスタジオ(Air Lyndhurstおよびアビー・ロード・スタジオ )で行った。
ジャケットの題字は、さだの親友である画家の原田泰治 が揮毫した。
CD
全作詞・作曲: さだまさし、全編曲: 渡辺俊幸 (特記以外)。
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タイトル
作詞
作曲・編曲
時間
1.
「飛沫 (しぶき) 」
さだまさし
さだまさし
3:43
2.
「風炎 (フェーン) 」
さだまさし
さだまさし
4:03
3.
「アパート物語 」
さだまさし
さだまさし
6:13
4.
「城のある町 」(編曲: 倉田信雄 )
さだまさし
さだまさし
5:00
5.
「天空の村に月が降る 」
さだまさし
さだまさし
4:03
6.
「The Day After Tomorrow ~明後日まで~ 」
さだまさし
さだまさし
3:57
7.
「舞姫 」
さだまさし
さだまさし
5:47
8.
「八ヶ岳 に立つ野ウサギ 」
さだまさし
さだまさし
6:35
9.
「月蝕 」
さだまさし
さだまさし
4:23
10.
「最期の夢 」
さだまさし
さだまさし
7:03
合計時間:
50:47
解説
飛沫 (しぶき)
横断歩道で手を上げて待つ子供の姿を大人に対する信頼の象徴と捉え、その信頼を裏切った大人の後ろめたさと子供達が向けていた信頼の消滅の過程を描く作品。
風炎 (フェーン)
恋人との別れを春の終わりを告げるフェーン現象 と重ね合わせた作品。季節と心象風景を対比させている。
この『風炎』はさだの造語ではなく気象学者岡田武松 が考案し、後に歳時記 に採用されたものからの利用であり、この字を使った理由を自身の30周年コンサート最終夜のトークで詳しく述べている。
2000年 9月27日 に安田祥子 ・由紀さおり がカバー。
アパート物語
さだが学生時代からグレープ時代にかけて住んでいた市川市 内のアパートをモデルとする作品。ライナーノーツによるとそのアパートにはさだの後、後にさだのマネージャーとなる山下純二が住み、更にその後はクラフト の三井誠 が住んでいた。
城のある町
香川県 丸亀市 の市制100周年記念事業として、原田泰治が丸亀の春夏秋冬をテーマとした絵を描き、さだがイメージソングを作った。
歌詩中に「月菜汁」という架空の郷土料理が登場する。歌を聴いた市民有志によって実際に「月菜汁」を作るという試みが行われており、丸亀市では学校給食 のメニューにも取り入れられている[ 1] 。
天空の村に月が降る
岩永辰尾の写真集『天界の郷』に収録された長野県 下伊那郡 上村 の棚田 の風景に魅せられたさだが、棚田の1枚1枚すべての水面に月が映る「田毎の月」の美しさを歌った作品。
The Day After Tomorrow ~明後日まで~
ビートルズ の「イエスタデイ 」に対するさだのアンサーソング 。ロイヤル・アルバート・ホール でのコンサートに先立ちアビー・ロード の第2スタジオで作曲、レコーディングした。レコーディング中に急遽コンサートで発表することが決まり、その日の内に作詩、コンサート当日に初歌唱した。
舞姫
「一途」をテーマとする作品。帰らぬ恋人を待ち続け、いつしか伝説となった女性を描く。森鷗外 の同名の小説 をモチーフとしている。
八ヶ岳に立つ野ウサギ
僻地医療に携わる医師を描いた作品。さだの在住する諏訪市 周辺で活動する2人の実在の医師をモデルとしている。曲名はモデルの医師らがさだの「風に立つライオン 」(『夢回帰線 』収録)に倣って「八ヶ岳に立つ野ウサギ」を自称していることによる。間奏・エンディングに「ロンドンデリーの歌 」が使用されている。
月蝕
月蝕 の夜に行われる祭 の夜の様子と、恋人との永遠の別離について描いた作品。
さだによると、この歌のモチーフは実在する祭では無く、日本古来の「祭」の持っていた精神的な領域を自分なりにイメージしたものであるとライナーツノートに書かれている。
最期の夢
「もしも人生の最期に望みどおりの夢を見られるとしたら、何を見たいか?」というテーマの作品。さだによれば、これは自分の一生を賭けた質問である。
大河原遁 の漫画『王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜 』にこの楽曲をモチーフとするエピソードがある。
曲注釈
主な参加ミュージシャン
ほか
脚注
外部リンク
シングル
1970年代
1980年代
1990年代
長崎から
息子へ 〜父からの風〜
奇跡〜大きな愛のように〜
娘へ
君が帰ってくる/ありがとう
“長崎から雲仙へ”/SMILE AGAIN
あなた三昧
二千一夜
幸福になる100通りの方法/東京物語
ヴァージン・ロード/関白失脚
となりの芝生
愛をみつけた
烈/地平線
名刺/さよならにっぽん
Wonderful Love
絵画館/甘い手紙
愛について
Dream/案山子(アンコール)
Birthday
夢一色/やすらぎ橋
ペンギン皆兄弟
北の国から 遥かなる大地より〜螢のテーマ
君が選んだひと
ゆけゆけ!! ようかいキッズ
桜月夜
佐世保
2000年代
2010年代
配信
アルバム
スタジオ・アルバム
ベスト・アルバム
さだまさしベスト16
さだまさし ヒット・コレクション
昨日達…
帰郷
さだまさし・谷村新司 夢コレクション
さだまさしシングルス全集
第1巻
第2巻
第3巻
第4巻
第5巻
第6巻
第7巻
第8巻
第9巻
さだまさしベスト
ウルトラ・スーパー・ミラクル・ベスト
続帰郷
小説「精霊流し」の世界
「さだの素」〜さだまさしベスト・初級入門編〜
初恋〜Love Song Collection
永遠まで〜The Best For The Best Couple
案山子〜HOME SWEET SONGS
償い〜SONGS OF LIFE
特集 雨の章〜RAIN KEEPS SINGING
特撰 夢の章〜SONGS FOR DREAMS
特集 虹の章〜MELODIES OF RAINBOW
さだまさしベスト2〜通
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さだまさし/グレープ ベスト 1973〜1978
さだまさしベスト3〜讃
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御乱心〜オールタイム・ワースト〜
新自分風土記I 〜望郷篇〜
新自分風土記II 〜まほろば篇〜
さだ丼 〜新自分風土記III〜
ライブ・アルバム
カバー・アルバム
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にっぽんII〜通りゃんせ〜
さだまさし 永六輔・中村八大を歌う
情継 こころをつぐ
永縁〜さだまさし 永六輔を歌う〜
アオハル49.69
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