日本政府・各大学・有識者の対応など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/02 23:07 UTC 版)
「大学入試問題ネット投稿事件」の記事における「日本政府・各大学・有識者の対応など」の解説
内閣総理大臣の菅直人は「このようなことが起きたことは大変残念」とコメントした。 文部科学大臣の高木義明は試験会場への携帯電話等の持ち込みを全面禁止することを検討し、内閣官房長官の枝野幸男は「情報通信技術の進歩に遅れることなく、しっかりした対応を取ってほしい」とコメントした。 事件発覚後の3月8日と12日に国公立大学の中後期試験が行われるにあたり、今回の事件の手口が判明せず集団カンニングの可能性も報じられたことから、大学側は携帯電話を利用するカンニングへの対策を講じることとなった。携帯電話の持込み自体を禁じたり、所持品をチェックしたり、大学側が携帯電話を預かるなどの案もあったが、手間やコストの面から現実的ではなかったため、受験担当官を増やすなどの対応の他、受験生の携帯電話を机の上に置かせて監督者が一つずつ携帯電話の電源が切れているのを確認するなどの対応を取る大学も出た。或いは、携帯電話の通信機能抑止装置の導入を検討する大学もあった。また、過去の大学受験において携帯電話カンニングが見過ごされたまま入学している可能性を危惧する声も出た。カンニング対策を含めて各大学には監督官庁である文部科学省の方針を求める声もあった。一方、文部科学省による一律的なカンニング対策や当事件で警察による刑事捜査は大学自治の観点から否定的な声もあがった。 ビジネス・ブレークスルー大学学長を務める大前研一は、面接時に倫理観を持っているかの確認は行うとしながらも、『この予備校生がビジネス・ブレークスルー大学を受験することを希望するならば、入試の受験を認める』ことを表明している。 東京都知事の石原慎太郎は都知事の定例会見でこの問題に触れ「入試にしろ、その合格した後の大学、高校でもそうだけれど、カンニングというのは昔からあったんです。みんな、いろいろ苦労してカンニングしていたね(中略)だから、持っているツールを使って、日本で初めて入学試験で携帯使ってカンニングやったというのは見上げたもんなんじゃないのかね。ある意味では、ここ(頭を指して)がいいんだよ。(やられた)学校の方がばかなんだよ。」という認識を示した。 なお産経新聞では、予備校生が逮捕されるおよそ半日前(2日午後)に「都内2高校生が関与 1人は外で中継 京都府警ほぼ特定」という記事をネット上に配信、同日の夕刊でも1面トップで報じた。当日夜に別の新聞社が相次いで「仙台市内の予備校生と断定」と報道し、誤報であることが判明した。誤報が出された理由について詳しくは明らかになっていないが、「2日朝の段階で出た契約者が誰なのか取材を続けた結果、都内の高校生が関与しているという情報を得た」という。5日に産経新聞は謝罪広告を出している。
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