日本国内の報告
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 07:27 UTC 版)
「重症熱性血小板減少症候群」の記事における「日本国内の報告」の解説
2016年2月24日時点で170名以上の感染例が報告されているが、当初に作成された疑い患者要件を満たしていない軽症例が見逃されている可能性が指摘されている。 2013年1月に報告された最初の患者は2012年秋に発症した50代の女性で、原因不明のまま死亡した。後に保存検体の検査により SFTSV のゲノムとウイルス抗原が確認され重症熱性血小板減少症候群と確定した。この事例を元に厚生労働省は「疑い患者要件」を公表して全国に情報提供を求めた。 (当初)疑い患者要件 38度以上の発熱 消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血のいずれか) 血小板減少(10万/mm3未満) 白血球減少(4000/mm3未満) 血清酵素(AST、ALT、LDHのいずれもの上昇) 他の感染症によること又は他の病因が明らかな場合は除く 集中治療を要する、若しくは要した、又は死亡した者。 情報提供により、山口県における海外渡航歴のない成人男性と、2012年秋の宮崎県における海外渡航歴と近年の国内旅行歴のない成人男性で、いずれも報告時点では死亡している。さらに、その後の調査では確認可能な最も古い患者は2005年である事と、死亡した患者の血液から発見されたSFTSウイルスの塩基配列は中国で発見されたものとはわずかに異なっていることが明らかとなり、中国での確認以前から日本国内に存在していた事が証明された。 また、厚生労働省は、死亡例が相次いだのは感染源が特定されたためであり、急に流行しているわけではないとしている。その後もウイルス感染の報告が相次ぎ、2013年の春から秋にかけて高齢者を中心に西日本の13県53人の感染を確認、うち21人の死亡が報告されている。現時点では前述の通り西日本において感染者が出ているが、2014年2月に公表された厚生労働省研究班の調査結果によると、北海道や東北、関東に生息するマダニからもSFTSウイルスが検出されており、病原体は全国的に分布していることが明らかとなった。 令和元年5月には関東地方で初の感染者が確認された。
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