日本のロケットスレッド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/05 01:13 UTC 版)
「ロケットスレッド」の記事における「日本のロケットスレッド」の解説
日本でのロケットスレッド実験の例としては、下記の5例が確認されている。 1966年(昭和41年)3月19日に岐阜県各務原の防衛庁技術研究本部岐阜基地においてT-1とT-33練習機の射出座席の開発の為に臨時の軌道が敷設されて試験が行われた。実験は岐阜基地の滑走路南で実施された。鉄道用レール(新幹線の60キロロングレールを採用)とトロッコが用意され、廃棄処分となっていたT-1Aの試作4号機(#804)の胴体前部をトロッコに括り付け、ロケットにはF-86D用のマイティマウスの弾頭を取り外して用いた。1本あたりの推力は約100kg、燃焼時間は1.5秒で、合計44発を用いている。機体の射出座席には平均的な日本人男性のダミー人形2体(衝撃計測機器付き)が乗せられ、点火0.8秒後に時速157km(85kt)に達したところで空中へ射出、パラシュートで地上へ帰還する試験を7度行った。当時の額で総経費5000万円、軌道建設費だけでも900万円を要した大規模な実験であった。 磁気浮上式鉄道HSSTの開発過程においてHSST-01がロケット推進によって1978年に307.8km/hを達成した。 JAXA(旧NASDA)の固体ロケット爆発実験の一環として、1991年から1993年にかけて苫小牧市に設けられたモノレール上において推力3600kgのSOB(N-1、N-2、H-1で用いられた固体補助ブースター)を自走させ180〜720km/hの速度での衝突実験を行った。 防衛装備庁下北試験場にあるレールランチャー設備は全長360mのモノレールであり、1989年の新設時から現在に至るまでミサイル等の動的な威力試験に用いられている。 国立大学法人室蘭工業大学が北海道白老町に有する高速走行軌道実験設備と呼ばれるロケットスレッドは2010年から運用されており、全長300mの軌道長で最高速度405km/hを達成している。水路溝に突入し減速する方式はアメリカのロケットスレッドでは広く採用されているが、日本では上記の前例を含め室蘭工業大学の設備のみが本方式を採用している。
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