日本のアニメ・漫画
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「スライス・オブ・ライフ」の記事における「日本のアニメ・漫画」の解説
スライス・オブ・ライフ的アニメ・漫画(英語版)も参照 スライス・オブ・ライフ的アニメの一覧(英語版)も参照 スライス・オブ・ライフ的な漫画は、「空想的な要素のない、田舎の高校に代表される現実の日常生活を舞台にしており、事実上の恋愛関係にあることも多いキャラクター同士の人間関係を軸とした」物語である。「キャラクター同士の心(感情)の絆が生まれること」が好まれ、1980年代の半ばから人気になり始めたジャンルである。しかしチェンマイ大学人文学部日本研究センターの西田昌之は、このジャンルのアニメや漫画作品にもファンタジーや空想的世界の要素は取り入れられていると指摘している。「現実的にも起こりうる一定の条件のもとでは、人間の『リアリティ』を表現する手段としてむしろファンタジーが利用されることがある」からである。 ロビン・E・ブレナーは2007年に出版された『Understanding Manga and Anime』の中で、アニメや漫画における「スライス・オブ・ライフ」というジャンルは、非常に短いスパンで不条理なほど大量のドラマチックだったり滑稽な出来事が起こることから、ドラマよりもメロドラマに近いと述べている。ブレナーは比較対象として、アメリカのティーンドラマである『ドーソンズ・クリーク』や『The O.C』を挙げている。こうしたジャンルは日本の漫画市場において大きな位置を占めており、たいてい学校生活やキャラクター同士の関係性に主軸が置かれている.。ライトノベルシリーズの『魔術士オーフェン』は、スライス・オブ・ライフの中でも一風変わった作品である。ファンタジー的な世界観に対する、人間のリアルな反応が描かれているからである。 アニメや漫画における「スライス・オブ・ライフ」のサブジャンルとして、空気系や日常系のアニメが挙げられる。このジャンルにおいては「深い人間関係や恋愛関係に発展した後の描写は意図的にストーリーから排除されている。これは日常生活や美少女(若くてかわいらしい女性)の会話を重視した、ライトで馴染みやすいストーリーを展開するためである」。それが成立するためには「変わった土地柄」だけでなく「日常生活を平穏で心温まるものとして感じるセンス」がきわめて重要になる。日常系は4コマ漫画から登場したジャンルであり、『あずまんが大王』、『けいおん!』、『ひだまりスケッチ』などが代表的作品である。北海道大学観光学高等研究センターの山村高淑は、2000年代半ばにこのサブジャンルが流行したことで、アニメ作品で登場したロケーションをファンが観光するコンテンツツーリズムの人気が高まったと論じている。 法政大学グローバル教養学部のスティービー・スアンは、『あずまんが大王』のようなスライス・オブ・ライフ的アニメ作品の特徴として、「困ったときに白い丸になる目、感情を表すときに輝く元気で大きな目、〔強調された〕汗のしずくや動物の牙、キャラをシルエットだけで単純に描くことなど、アニメというメディアにおける『定型表現』がより強調されていることも多い」と述べている。
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