日本における現状と事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/29 05:08 UTC 版)
「ラーニング・コモンズ」の記事における「日本における現状と事例」の解説
2011年当時、ラーニング・コモンズを設置している高等教育機関は94館であった。機関種別で見ると、四年制大学等が80館、短期大学が7館、高等専門学校が7館である。別の調査では119館あったという調査もある。それなりの数のラーニング・コモンズが国内に存在しているが、その内実は多様である。 日本のラーニング・コモンズの先駆事例としては、国際基督教大学のミルドレッド・トップ・オスマー図書館やお茶の水女子大学のラーニング・コモンズがある。国際基督教大学のオスマー図書館は2000年に開館し、オープンスペースのスタディ・エリアに120台の学習用PC,3つのグループ学習室、マルチメディア教室を備えている。地下の自動化書庫以外には書架はなく、学生に対する学習スペースの提供を主たるサービス機能としている5)。お茶の水女子大学も2006年に完成したラーニング・コモンズで先駆例として取り上げられている。「21世紀型文理融合リベラルアーツ」を支える学生のための共同コミュニケーションスペースとして、図書館1階の南側スペースに設置された。採光を配慮した開放的で明るいスペースに、学生用パソコン約50台を配置している。 最近できたものでは、千葉大学のアカデミック・リンクや同志社大学のラーニング・コモンズがある。アカデミック・リンクとは、千葉大学が実践している図書館機能をベースにした新しい学習環境のコンセプトである。研究開発機能を担う「アカデミック・リンセンター」(附属図書館,総合メディア基盤センター(現:統合情報センター),普遍教育センターが協力して設置)と実際にサービスを提供する「附属図書館」が中核となって推進している。2012年にはグッドデザイン賞に選ばれているなど、新しい学習環境の構築として注目されている。同志社大学のラーニング・コモンズは交流と相互啓発の場である「クリエイティブ・コモンズ」(2F)と、アカデミックスキルの育成の場である「リサーチ・コモンズ」(3F)からなる。約2,550㎡という、ラーニング・コモンズとしては日本最大級の空間である(14。新しい学びを支援するラーニング・コモンズとして取り上げられている。 また獨協大学において2017年1月に完成予定の「50周年記念館」もラーニング・コモンズをコンセプトとしている。 大学図書館の外にあるラーニング・コモンズの事例もある。大正大学はその一例である。7号館と呼ばれる建物の2階にラーニングコモンズと呼ばれる空間が設置されている。・インターネットが利用できるパソコン、プレゼンテーションの練習ができるプロジェクタ、自由に移動できるホワイトボード、学習関連の図書(レポートの書き方、プレゼン方法、パソコン関連、留学関連等)といった、大学の学習に必要なツールが用意されている。
※この「日本における現状と事例」の解説は、「ラーニング・コモンズ」の解説の一部です。
「日本における現状と事例」を含む「ラーニング・コモンズ」の記事については、「ラーニング・コモンズ」の概要を参照ください。
- 日本における現状と事例のページへのリンク