日本における現在生じている課題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 05:59 UTC 版)
「年齢主義と課程主義」の記事における「日本における現在生じている課題」の解説
現在、日本の小中学校は年齢主義が強すぎるため、さまざまな面で弊害が生じている。「落ちこぼれ」といわれる学業不振者や、「浮きこぼれ」といわれる成績優秀者に対する抜本的な対策の必要性が主張されている。前述したように年齢主義の学校制度では、落ちこぼれや浮きこぼれを生まないためには、習熟度別学級の編成や補習や個別指導などの能力別教育の必要性が高いが、公立の小中学校では、今まであまりそういった取り組みが行われてこなかった。 現在は、授業に付いていける生徒は小学校で7割、中学校で5割、高校で3割であるという七五三現象が指摘されているが、こういった落ちこぼれ問題などは画一的な年齢主義の弊害が原因だとして、課程主義・修得主義に対しても再評価を求められている。授業を理解しにくい状態で無理に進級すればますます理解できなくなるため、学年内能力別教育によっても目標水準に到達できない健常生徒に対しては、原級留置の適用を拡大するべきだともいわれている。 一方、浮きこぼれについても大きな問題となっている。通塾率の増加、学習指導要領の簡素化などで、同一年齢の生徒でも大きく知識力に差があるようになってきている。また、公私間転学の際、カリキュラムがあまりに違うと浮きこぼれが生じやすい。大学の早期卒業・大学・大学院の飛び入学など、高等教育以上では対策が始まっているが、初中等教育では飛び級による対策は皆無である。
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