新型コロナウイルス感染症での批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 06:22 UTC 版)
「パチンコ店」の記事における「新型コロナウイルス感染症での批判」の解説
2020年に入り、日本政府により緊急事態宣言が発令され、同時に民間人には不要不急の外出自粛要請、企業に対しては生活に必要不可欠な商品を取り扱う店舗や飲食店などを除き、多くの企業に対して休業要請がなされた。 当初はパチンコ・パチスロ店の多くが休業要請発令以降も営業を続けていたが、徐々に休業する店舗が増えていった。しかし、大阪府や福岡県といった一部の府県等では休業要請に従わずに営業を続ける店舗が存在した。これは営業を続けなければ営業赤字で廃業せざるを得ないなど、パチンコ店側の事情を抱えており、休業要請に従いたくても休業に踏み切れず、止むを得ず営業を続ける必要があったためである。そして、全国的にそのような経営上の事情を抱えた店舗が多数あった。 しかし、報道メディアがこのような経営者側の事情を考慮せず、営業を続ける店舗を必要以上に連日報道し続けたことに加え、営業を続ける店の店名を大阪府などの自治体が積極的に公表するなどしたため、社会全体が「パチンコ店 = 悪」というイメージを形成するに至り、パチンコ業界は所謂「魔女狩り」同然の扱いを受ける羽目になった。インターネット上ではTwitterやYahoo!ニュースのコメント欄などで、これらの報道に煽られた者たちによって盲目的なパチンコ店批判が過熱し、中には「クラスター発生の原因となる最たる存在」「パチンコはそもそも違法賭博」「存在そのものが悪」など、事実と異なる悪質なパチンコ店批判を投稿する例が多くみられた。また、いわゆる「自粛警察」と呼ばれる者たちが営業中のパチンコ店に押しかけたりもした。 なお、休業要請が発令されて以降、2020年12月現在においてパチンコ店でクラスター感染が発生した事例は存在しない。むしろ、パチンコ店では喚起の徹底、手指の消毒やマスクの着用厳守を求めるなど、他業種以上に感染対策を採っていることが経営者や従業員、来店客などの証言で判明している。また、機種の方向に顔を向けて遊戯していることから「マスクの着用や手指の消毒をしてさえいれば、そもそも飛沫感染は必然的に避けられるはず」という指摘も多くあった。 これを受け、東京都医師会がパチンコ業界を魔女狩り同然の対象となる原因を作ってしまったことを謝罪する声明を発表した。 この云われなき偏見による風評被害はパチンコ業界に大きな損害をもたらしている。パチンコ店はマルハンやガイアといった、手広く展開している大手企業の店舗から個人で営業している小規模な店舗まで様々であるが、当然ながら小規模法人店や個人店は大手法人店に比べて資金面で不利であるため、多くの小規模法人店や個人店がこのコロナ禍において閉店に追い込まれている。閉店に追い込まれているのは個人業による飲食店も同様ではあるが、パチンコ店の場合は政府・自治体・政治家までもがこの過剰ともいえる報道に乗っかって不必要に店名を公表するなどの行為を行なったり、それを「国や自治体、政治家のお墨付き」的な解釈で自粛警察の出現や報道に煽られた者たちによる云われなき偏見による風評被害が追い打ちをかけた点で大きく異なる。そのため、中には「休業要請に従い、一時休業します。しかし、パチンコ屋だけが本当に悪なのでしょうか?」などと書いたポスターを貼り出して社会に訴える店舗も多くあった。
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