新型コロナウイルスへの対応と球団社長の辞任
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 08:02 UTC 版)
「阪神タイガース」の記事における「新型コロナウイルスへの対応と球団社長の辞任」の解説
2020年、新型コロナウイルスの世界的流行により、日本政府からの緊急事態宣言が4-5月にかけて発出され、プロ野球もシーズンの開幕が延期となるなど大きな打撃を受ける。そんな中、3月26日にプロ野球界初の新型コロナウイルス感染者として藤浪晋太郎の陽性が判明し、翌日にもさらに2選手の感染が判明。彼らの感染経路は不明ながら、感染が確認されなかった他の4選手とともに球団外の人物らと不特定多数で大阪市内の知人宅で会食しており、同席していた20代女性2人も感染したことから、来たるべき開幕に向けて感染対策の徹底を図りたい球界関係者のみならず、日本国民全体が外出の自粛や「三密」回避など多くの制約を求められる社会情勢の中での軽率な行動に多くの批判が集まった。球団は一時活動停止となり、感染した選手が対中日2軍戦に出場していたナゴヤ球場は消毒を行うなど他球団にも影響が波及する事態となった。 また、9月25日に2軍にて浜地真澄の感染が確認され、直後のPCR検査でキャプテンの糸原健斗ら1軍4選手とスタッフ2人の感染が判明。同日、感染した4選手と保健所から濃厚接触者として認定された2選手、球団独自の濃厚接触者扱いとなった4選手の計10選手が出場選手登録を外れ、2軍から緊急昇格した9選手と合わせて19選手が出場選手登録を入れ替わる事態となり、同日開催予定だった2軍の対中日戦は中止となった。10選手や浜地らの行動経路から、同月19日に名古屋にて糸原やチーム最年長の福留孝介らによる8人での会食と、同日に別の場所で浜地ら中継ぎ投手4人による会食をそれぞれ行なっていたことが発覚した。感染対策として遠征時の外食を全面的に禁止としている球団もある中、阪神は選手の息抜きの必要性を考慮して名古屋、広島での遠征時に設けた指定日に限り「4人まで」「同ポジションは極力控える」などの条件付きで外食を許可していたが、彼らの行動はこの内規に反していたことから多くの批判が集まった。球団も10月11日に該当の選手らに制裁金を課す処分を発表した。 これらに関し、2度にわたり選手らの不用意な行動から感染者を出してしまった球団もその管理体制の甘さを問われるところとなり、阪急阪神ホールディングスの角和夫代表取締役会長グループCEOも10月7日のサンケイスポーツなどの取材に対して「球団の管理責任と、けじめが必要」と進退問題を示唆する発言をした。 一連の流れを対し、10月9日に揚塩健治球団社長が「混乱を招いた最終的な責任は私にあります」として、同年シーズン限りで辞任することを発表。そのうえで、以後は遠征先での外食を一切禁止にするなどの感染防止対策を徹底する考えを示した。
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