抗うつ作用
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日本では麻薬及び向精神薬取締法における麻薬に指定されているため使用に大きな制限があるが、海外ではその限りではない。 ケタミンの抗うつ作用は、正常な被験者に対し精神病をモデル化する目的でケタミンを用いた研究において急速な気分の改善が見られたことで偶然発見されたもので、これが後のうつ病に対する研究につながった。2012年の時点で利用されていた30種類もの抗うつ薬はどれも6週間後に穏やかな効果を示すだけであったが、ケタミンの急速な抗うつ作用という結果は、抗うつ反応の目標を移動させるものであった。ケタミンは、NMDA受容体を遮断することで抗うつ作用を発揮していると考えられているが、他のNMDA受容体遮断薬には抗うつ効果はみられない。 2006年のアメリカ国立精神衛生研究所(英語版)のランダム化比較試験では、治療抵抗性うつに対して効果が見られた。臨床試験により、投与から2時間で効果が現われ、29%が翌日には寛解し、その効果は7-10日間に及ぶなど、速効性があり強力な効果があることが示された。また、自殺念慮についても投与後1時間以内に低下させ、その効果が1週間にわたり継続したする研究があるが、長期安全性や実際の自殺リスクの低減に関する研究は不足している。投与6週間後まで追跡し、改善が維持されていたとする研究がある。 治療抵抗性の双極性うつ病でも、速攻性・持続性がありかつ強力な抗うつ作用が見られている。慢性的な心的外傷後ストレス障害(PTSD)の抑うつ症状に対して、ケタミンは症状の重症度を速やかに大きく減少させた。強迫性障害 (OCD) においても、投与後速やかに抗強迫効果を現して強迫観念を大幅に改善し、それが少なくとも1週間維持された。社交不安障害 (SAD) に対しても、2週間に渡って不安が軽減されたとする研究がある。 アメリカではケタミンをうつ病に対して適応外使用で用いることも増えている他、イギリスでは、2014年4月に治療抵抗性の双極性うつを含むうつ病に対する試験結果を公表し、2014年5月には専門委員会が専門診療所における難治性うつへのケタミンの使用を承認している。
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抗うつ作用
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「アヤワスカ#医療における可能性」も参照 近代的な医薬品としてのモノアミン酸化酵素阻害薬は、1950年代より用いられている。 ハルミンは、その機序により抗うつ薬の有力な代替薬である。古来より用いられるアヤワスカの、うつ病に対する治療研究が知られている。 ラットの神経幹細胞における脳の脳室下帯と海馬の歯状回の細胞新生が観察されており、その関与が考えられる。
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